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令和 3年予算特別委員会−03月05日-04号

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  1. 滋賀県議会 2021-03-05
    令和 3年予算特別委員会−03月05日-04号


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    最終取得日: 2023-05-14
    令和 3年予算特別委員会−03月05日-04号令和 3年予算特別委員会              予算特別委員会 会議録                                開会 10時00分 1 開催日時      令和3年3月5日(金)                                閉会 14時40分                         (休憩 11時38分〜11時39分)                         (休憩 11時52分〜12時57分) 2 開催場所      議場 3 出席した委員    川島委員長、冨波副委員長             井狩委員、本田委員、柴田委員、重田委員、白井委員、             村上委員、清水(ひ)委員、河井委員、佐口委員、             小川委員、黄野瀬委員、松本委員、杉本委員、田中委員、             角田委員、塚本委員、山本委員、大橋委員、駒井委員、             中村委員、桑野委員、周防委員、海東委員、加藤委員、             竹村委員、目片委員、有村委員、大野委員、岩佐委員、             奥村委員、木沢委員、清水(鉄)委員、江畑委員、
                成田委員、九里委員、今江委員、中沢委員、節木委員 4 委員以外の出席議員 細江議長、富田副議長 5 出席した説明員   三日月知事、西嶋副知事、中條副知事、水上知事公室長、             廣脇総合企画部長江島総務部長中嶋文化スポーツ部長、             石河琵琶湖環境部長川崎健康医療福祉部長、             森中商工観光労働部長西川農政水産部長、             吉田土木交通部長浅見会計管理者宮川病院事業庁長             および関係職員 6 事務局職員     箕浦議会事務局次長山本議事課長、             瀬川議事課課長補佐 7 会議に付した事件  別紙次第書のとおり 8 配付した参考資料  別紙のとおり 9 議事の経過概要   別紙のとおり                  議事の経過概要 開会宣告  10時00分 1 議第1号から議第16号まで(令和3年度滋賀県一般会計予算ほか15件)(全体質疑) ○川島隆二 委員長  ただいまから予算特別委員会を開会いたします。  本日の日程は、お手元に配付いたしております次第のとおりであります。  本委員会に付託されました議第1号から議第16号までの16議案を一括議題といたします。  昨日に引き続き、全体質疑を行います。  発言通告書が提出されておりますので、順次発言を許します。  まず、小川泰江委員、待機席へお願いいたします。  それでは、小川泰江委員の発言を許します。 ◆小川泰江 委員  皆様、おはようございます。昨年の3月5日、滋賀県で初めての新型コロナウイルス感染症の陽性者が確認されて、本日でちょうど1年となります。ちょうどこの場で質問に立たせていただいており、当局の皆さんがばたばたされておられたことを思い出します。  この未知のウイルスはいまだ社会のあらゆる面に影響を与え続けており、滋賀県においても昨日は陽性者26名と、感染は下げ止まりどころかリバウンドとも言える状況となっており、一昨年と同様に県民は大きな不安を感じています。  ぜひともさらなる感染症対策、防止策を実施いただけるよう改めて要請し、通告に従いコロナ禍への対応も含めて、令和3年度予算について問わせていただきます。  まず1問目は、コロナ離職者対策についてです。  先日、厚労省はコロナの影響による解雇者が見込みも含めて累計9万人を超えたと発表しました。このコロナ離職者対策として令和2年度においては、滋賀県で約計400人の雇用を目指して雇用対策事業が実施されました。  まずは、現段階でのその執行状況について、商工観光労働部長にお伺いいたします。以下全て商工観光労働部長にお願いいたします。 ◎森中 商工観光労働部長  本年度の主たる緊急雇用対策事業としましては、緊急雇用創出事業離職者早期就職支援事業、この2事業を実施しております。  令和3年3月1日現在における進捗状況でございますが、緊急雇用創出事業におきましては、県における直接雇用に加えまして、新型コロナウイルス感染症対応で新たに必要となった業務や一次産業や介護、福祉の分野など、従来から人手不足が生じている分野での雇用の受皿を作り、官民合わせて157人の雇用を創出したところでございます。  また、離職者早期就職支援事業におきましては、離職者等を正規雇用職員として雇用する事業主に雇用者一人当たり60万円を助成を行うことにより、213人の再就職を支援しております。  両事業合わせまして、計370人の雇用を生み出したところでございます。 ◆小川泰江 委員  当初、緊急雇用に関しては200人予定をされていたということで、執行残が出ている状況ですが、その内容をもう少し詳しく教えていただけるでしょうか。 ◎森中 商工観光労働部長  委員御指摘のとおり、約200名ということの雇用創出を目標としたところでございますが、介護、福祉ですとか、農林水産業といいました従前から慢性的に人出不足である分野、こちらが予定数に達していないということですとか、感染症発生の動向調査など専門的な知識が必要な分野などにおいて、雇用者が計画数を下回った事業があるものと認識しております。 ◆小川泰江 委員  それでは、令和3年度予算においてもコロナで離職した方たちの雇用対策の予算が上程されていますが、まず、その全体像をお示しいただけるでしょうか。 ◎森中 商工観光労働部長  雇用情勢は引き続き厳しい状況にある一方、コロナ禍の中で働き方に対する人々の意識や働き方そのものに変化が生じているところでございます。  こうした状況を踏まえまして、来年度も引き続き雇用を守る、つなぐ、作るという基本方針の下、雇用の維持、確保を図る緊急雇用対策と多様な働き方を実現する仕組みづくりなど、将来を見据えた雇用対策を併せて実施してまいりたいと考えております。  具体的には、緊急雇用対策としましては雇用創出事業や離職者再就職支援助成金の支給に加えまして、離職者を対象とした雇用型職業訓練の実施により合計800人規模の雇用創出を図ってまいりたいと考えております。  また、コロナ禍を踏まえた多様な働き方の実施に向けては、出向や副業などの雇用シェアを総合的に支援する雇用シェアサポートセンターによる失業なき労働移動や、中小企業に対するテレワークの導入支援などを推進してまいりたいと考えております。 ◆小川泰江 委員  緊急雇用対策の三つの事業で800人の雇用を目指すとのことですが、その数字の算出根拠をお示しください。 ◎森中 商工観光労働部長  今後、雇用調整助成金の特例措置の段階的な縮小等により雇用維持が困難になる事業者が出てくることも懸念されることから、来年度の雇用情勢につきましては、今年度と同程度の厳しさが続くことを想定して雇用創出数を算定しております。  具体的には、厚生労働省が毎週発表している解雇等見込み労働者数の昨年5月から11月末までの7か月間の累計を基に12か月間の解雇等の人数を算出しております。  すなわちその算出数482人に7分の12を乗じた人数が826人となることから、雇用創出の目標数を800人規模としたところでございます。  来年度の事業別で申し上げますと、緊急雇用創出事業で196人、離職者早期就職支援事業で500人、離職者雇用型訓練推進事業で120名となっており、合計816人の雇用創出を計画しております。 ◆小川泰江 委員  それでは、三つの事業のうち緊急雇用創出事業5億3,600万円余についてお伺いいたします。  どの分野で何人雇用を目指されるのか、その雇用形態も含めて少し確認させてください。 ◎森中 商工観光労働部長  令和3年度におきましては、全体で21課局の実施が計画されておりまして、雇用予定人数の合計は先ほど申し上げた196名ですが、雇用形態につきましては、県による直接雇用である会計年度任用職員が50人、法人、団体による雇用が146人となっております。  分野ごとにつきましては、新型コロナ対策相談コールセンター事業など、新型コロナウイルスへの対策業務として59人、びわ湖ホールにおけるライブ映像配信事業など新しい生活様式を実践していくための業務として13人、介護や福祉、農業など従来から人手不足である分野における業務として69人、県立高校における求人開拓等就職支援事業などその他の業務として55人となっております。 ◆小川泰江 委員  先ほど部長のほうからもありましたが、令和2年度の事業でこの見込みを大きく下回った事業も散見されております。介護やまた教育委員会さんのほうでもそうだったかと思いますが、また、令和3年度同様の事業も挙がっておりますが、この令和3年度はどのように改善されたのか、お聞かせください。 ◎森中 商工観光労働部長  令和2年度の雇用対策事業では、先ほど申し上げたとおり合計370人の雇用創出を行ったということで、一定数の雇用創出が図れられたという点では効果が表れたのではないかと考えております。  他方、介護、福祉や農業など、人手不足の分野につきましては、計画数を下回った事業もございまして、これらの分野での雇用創出が課題であると考えております。  県としましては、介護、福祉、農業等それぞれの分野におきまして魅力を発信していただくことに加えまして、雇用期間を最大1年間に延長することや、各事業所管課を通じて進捗状況を定期的に把握し、必要に応じて当部所管の就職支援機関等におきましてPRを行うことなどにより、より多くの方の雇用に結びつけられるようにしてまいりたいと考えております。 ◆小川泰江 委員  昨年度は、雇用形態で補助金というものがありましたが、今年度は先ほどは説明ございませんでしたが、どのようになっておられますでしょうか。 ◎森中 商工観光労働部長  今年度は、全て直接雇用かまたは委託という形でございます。 ◆小川泰江 委員  いろいろ改善策は練っていただいたと理解をいたします。  必要な方にしっかりと情報が届いて、成果につながるよう、周知徹底にも取り組んでいただけますようお願い申し上げます。  中でも気になるのが緊急雇用で短期の非正規となる方たちです。一時しのぎのまま終わらないよう、この予算が終了した後もせっかく御縁のあった方たちの継続的な生活の安定につながるよう、相談などのフォロー体制も必要かと思いますが、見解をお伺いいたします。 ◎森中 商工観光労働部長  緊急雇用創出事業の対象業務としては、コロナなどを踏まえて一時的に必要となる業務もございますが、先ほど来、申し上げてますとおり介護ですとか福祉、農林漁業などのように、この事業をきっかけとしまして労使双方の意向が合えば継続雇用につなげていくことを期待して実施しているものも多数ございます。  そのため、継続雇用を希望される方につきましては、事業終了後も各法人団体において継続して雇用をしていただく。  また、それが難しい場合には、次の就職先を確保するための支援ですとか、本人が行います就職活動への配慮について御協力をいただけるようお願いしているところでございます。  また、自ら再就職を目指される方に対しましては、県が設置するしがジョブパークやマザーズジョブステーションなどの就職支援窓口を周知し、専門アドバイザーによるそれぞれの状況に応じたきめ細かな相談など、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。 ◆小川泰江 委員  よろしくお願いいたします。  それでは、次に少数でも精鋭のもうかる水産業の構築についてお伺いいたします。  今議会での杉本議員、本田議員の一般質問にもあったように、アユやスジエビの漁獲量の大幅減少や高齢化など、もともとあった構造的な課題にコロナが拍車をかけ、琵琶湖の漁業は危機的な状況となっています。  そのような中、令和3年度をもうかる滋賀の水産業への転換のための基礎づくりと位置づけ、3つの新規事業が提案されています。  最初に、しがの漁業魅力発信スキルアップ事業1,500万円余についてお伺いします。  まず、琵琶湖の漁業者数の推移について、農政水産部長にお伺いします。以下全て農政水産部長にお願いいたします。 ◎西川 農政水産部長  琵琶湖漁業の従事者数を漁業センサスで見てまいりますと、過去最も多かったのが昭和53年の3,861人、10年前の平成20年には1,170人、そして、直近の平成30年には836人となってございまして、この10年だけを見ましても約30%減少しております。  また、その平成30年における漁業者の年齢構成も65歳以上が全体の6割を占めているということで、高齢化が進んでいる状況でございます。
    小川泰江 委員  これまでに新規就業者育成事業も実施されてこられましたが、その成果はいかがでしょうか。 ◎西川 農政水産部長  平成28年度から滋賀県漁業協同組合連合会に委託をする形で、しがの漁業担い手確保体制整備事業を実施をしてございます。  本県漁業の紹介や就業希望者への相談、そして、漁業を知るための体験研修、実地研修などを通じまして、この5年間で11名の新規漁業就業者が確保できたところでございます。 ◆小川泰江 委員  5年間で11名ということは、ほぼ目標は達成していると考えられますが、それを上回るやっぱり離職者というか、職を離れる方が多いという理解でよろしいでしょうか。 ◎西川 農政水産部長  御指摘のとおりでございまして、引退される漁業者の数に対して、新たに就業される漁業者数が依然少ない状態でございます。  新規の漁業者を増加させるためには、漁業で安定した収入が確保できる必要があるということから、今回の事業を掲げさせていただいたところでございます。  着業後の定着支援についても、しがの漁業魅力発信スキルアップ事業において、漁労技術だけではなく、出荷や販売に係る経営スキルの向上に向けた支援をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆小川泰江 委員  先ほど漁獲量は減少と紹介させていただきましたが、水産資源自体の推移を含めた状況はいかがでしょうか。 ◎西川 農政水産部長  琵琶湖の漁獲量は、昭和30年代に1万トン余りございましたけれども、現在では800トン程度にまで落ち込んでおります。  種苗放流や漁場環境保全などの資源対策を講じておりますものの、依然として厳しい状況にあると認識をしております。  ただ、その中で例えばホンモロコを見ますと、令和元年の調査で推定資源尾数が平成11年の調査開始以来最高となる1,600万尾を確認するなど、資源状況は回復傾向にあると見ておりますが、この今回のコロナ禍による需要減少の影響を受けまして、獲っても売れない、逆に売れないので獲らないということになっておりまして、漁獲量が伸びていかない状況も一方でございます。  こうしたことから、漁獲量の増大に向けましては資源対策だけではなく、需要の喚起、あるいは流通対策も欠かせないというふうに認識をしております。 ◆小川泰江 委員  つまり販路さえ開拓できれば琵琶湖の漁業振興の可能性はまだまだあるということだと思います。  そのためにと対応で革新的な流通モデル事業1,000万円も提案されています。その具体策について、どのように考えておられるのかお聞かせください。 ◎西川 農政水産部長  漁獲量の減少や消費の変化などによりまして、湖魚の流通経路が乏しくなっております中、湖魚を扱う流通事業者さんの数も減少の一途にございます。現存する事業者さんに日々物量が変動する漁獲物が過剰に集中することで負担が増大するなど、現在の流通過程では全ての漁獲物を処理し切れない状況も一方であるものというふうに認識をしております。  このような中、これまで流通先とされてこなかった関東などの遠隔地への流通や、産地ならではのストーリーを一緒に運ぶといったような新たな流通が求められていると認識をしております。  このため、現状では活用し切れていない湖魚を中心に、市場分析や流通の試行、試しに行う試行でございます、などを行い、様々な販路に柔軟に対応できる出荷体制の構築や、そのための専門人材の育成を図る漁業者組織の取組に対して支援をしたいというふうに考えております。 ◆小川泰江 委員  琵琶湖の天然ウナギなども、もう今やブランド化されていると言えるとも思いますし、なかなか地元でも手に入らなくなっているとも聞いております。もう東京のほうにまた全部出荷されてるという話もありますので、可能性は様々あるかと思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。  そして、今回の事業によって10年後の姿として年収1,000万円を目指すとありますが、現状を考えるとなかなかイメージしにくいと思います。もっとしっかりとしたロードマップも必要ではないでしょうか。 ◎西川 農政水産部長  年収1,000万円、確かにハードルは高いというふうに考えておりますが、この琵琶湖漁業をおおむね10年後にそうした年収1,000万円というキャッチフレーズに代表されるようなもうかる漁業にしていくために、最初の3年間、転換のための基礎作りの期間として、そして次の3年間を水産業全体の再構築に向けて取組をし、ラスト4年でしっかりもうかる漁業に定着をしていくという期間分けをして取組を進めたいというふうに思っております。  担い手間の連携であったり、経営スキルの向上、漁業組織の強化、そして、先進的な漁業施設の整備や利用、資源に合わせた合理的な漁獲の推進などに取り組んでまいりたいと存じます。  こうしたことから、まずは最初の3年の初年度ということで新たな担い手の確保と定着促進、硬直化した流通の改善、資源管理体制の構築、そして、漁業組織の体制強化などについて取組を始めてまいりたいというふうに考えております。 ◆小川泰江 委員  1,000万円、ぜひともキャッチフレーズに終わらないようによろしくお願いいたします。  今おっしゃいましたように、人材育成と流通革新、そのためには組織改革も必要だと考えます。現在、水産庁では1県1漁協を目指して漁協の合併を進めています。直近では愛媛県で43漁協が合併して一本化しており、漁連のある全国35都道府県のうち11都道府県が一本化されたと聞いております。  滋賀県の漁業組合の現状と今後のビジョンについて見解をお伺いいたします。 ◎西川 農政水産部長  琵琶湖周辺には漁業協同組合が全部で35ございます。多くの組合では漁業者の高齢化や減少、さらに一人当たりの漁獲の減少のため組合経営が非常に厳しい状況となってございます。  漁業組織を強化いたしますと、コストの削減、魚価の向上、安定に必要な拠点集荷、さらに設備の共有といった組合員へのサービスなどが向上することから、県としても漁業者の収益性を高め、琵琶湖漁業を持続的に発展させるため、組織強化が不可欠だと認識をしております。  現在、県漁連におかれては、水産庁の漁協経営基盤強化対策支援事業を活用され、合併を含めた組織再編について検討されていると伺っております。  県としても国から技術的な支援を得ながら、県漁連と密接に連携して組織強化のメリットなり、必要な事務手続などについて、関係者に説明や助言を行ってまいりたいと存じます。 ◆小川泰江 委員  中には合併に関して難色を示されてる組合さんもあると聞いております。メリット、デメリットもあるかと思います。それぞれの組合の事情を最大限配慮して、よりよい方向を目指していただきたいと思います。  それでは、次に部局別予算概要170ページ、淡水真珠母貝生産安定化研究についてお伺いいたします。  母貝の安定的な生産技術の開発に取り組むとありますが、一般質問でも取り上げさせていただいたナマズを使った取組について、令和2年度の成果を農政水産部長にお伺いいたします。 ◎西川 農政水産部長  真珠母貝となりますイケチョウガイは、生まれたての幼生から稚貝になるまでの段階で魚のえらやひれに2週間ほど寄生するそうした習性を持っております。  イケチョウガイの幼生を寄生させる魚につきましては、これまでヨシノボリやニジマスの利用を図ってまいりましたが、それぞれ入手、飼育が困難であったり、あるいはニジマスの場合は水温が高くなるために弱ってしまうといった課題があり、このことが真珠母貝の安定供給を困難にしてまいりました。  そこで、水産試験場では新たにナマズの利用を目指しまして、これまでにナマズを所定のサイズまでに効率的に育成する技術を確立をいたしました。今年度は寄生させるナマズの基礎的な利用条件について調査をし、ナマズに寄生させる際の水温や、ナマズ1尾当たりの寄生させる数などにつきまして、適正な条件を見出しつつあるところでございます。  また、今年度六つの養殖業者さんに合計約1,000匹のナマズを試験的に提供をしております。養殖業者の皆さんからは、ナマズ1尾に寄生する幼生の数が多くて飼育管理もしやすいとの評価をいただいておりますし、ある業者さんからは例年の3倍近い稚貝の生産ができたともお聞きをしているところでございます。 ◆小川泰江 委員  それを受けて、令和3年度はどのように進めようとされておられるのでしょうか。 ◎西川 農政水産部長  来年度につきましては、ナマズのサイズをいろいろ変えて試験を行いまして、ナマズの生き残りの状況や生産できる稚貝の数などを把握し、使用するナマズの最適なサイズを解明したいと考えております。  また、稚貝の幼生は現在主に陸上の施設で行われておりますが、使用する水のろ過などの管理に手間がかかりますことから、例えば直接養殖をする漁場、湖なりの漁場でそれぞれの環境に合った簡易な稚貝の幼生技術の開発試験を実施したいというふうに考えております。 ◆小川泰江 委員  ありがとうございます。  ほかに在来イケチョウガイの系統保存に着手とありますが、具体的内容について農政水産部長にお伺いいたします。 ◎西川 農政水産部長  現在使われております真珠母貝は、今日の琵琶湖に適用できるよう品種改良されたイケチョウガイでございます。  もともとの在来のイケチョウガイと、生産される真珠の色合いなどがそれぞれ特徴が微妙に異なるということがございまして、養殖業者の方々からは在来のイケチョウガイを用いたいとの声も頂いているところでございます。  実は、この在来イケチョウガイは近年県内では確認できておりませんで、恐らく県内での生息は非常に少なくなっているものと推測をしておりますが、かつて琵琶湖から移植した地域で生息が確認されておりまして、それを里帰りさせることを検討したいというふうに思っております。  まずは、在来イケチョウガイの生産を目指しまして、来年度からまず現在の真珠母貝を用いて水産試験場の施設で飼育をするその方法を確立をしたいということで、成長段階ごとの餌の量や飼育方法などの検討を行いたいと存じます。 ◆小川泰江 委員  琵琶湖では見られなくなった在来イケチョウガイがすごく遠く離れた沼で見つかったとも聞いております。ロマンのある話ですので、ぜひとも成果をお願いいたします。  今回の事業75万円余と少額ではありますが、淡水真珠について主要施策として概要書に頭出しされるようになったこと自体が大きな進展だと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、次に部局別予算概要113ページ、多頭飼育対策事業についてお伺いいたします。  昨年の9月定例会議でも訴えさせていただいた多頭飼育対策、この厳しい中、予算化していただきありがとうございます。  コロナ禍で新規犬猫飼育数が前年比15%増との報告もあり、また、第二次ネコノミクスという言葉も流布していますが、こういったブームの後は必ず飼育放棄などの問題も発生してきました。そうならないための事前対策としてより実効性のある施策になるように期待し、質問させていただきます。  多頭飼育問題について、関係者と連携体制を構築しとありますが、どういった主体とどうやって連携していくのか、具体的内容について、健康医療福祉部長にお伺いいたします。以下全て健康医療福祉部長にお願いいたします。 ◎川崎 健康医療福祉部長  多頭飼育の問題では、飼養者が精神疾患や認知症により様々な課題を抱えているようなケースもございまして、動物愛護管理行政だけでは解決が難しい面があるというふうに認識をいたしております。  そこで、市町の環境部局や福祉部局、あるいは自治会や民生委員、ケアマネジャー、動物愛護団体などが、互いに自らのできることを分担して連携して、対処していくことが必要と考えております。  こうしましたことから、来年度は関係者によります多頭飼育対策検討会を設置いたしまして、今後作成の予定の啓発動画の内容、効果的な活用方法について検討いたしますとともに、国のガイドラインも参考にしながら実際の多頭飼育崩壊の事例の解決に向けた手法や役割分担について検討を進めていきたいと思っております。 ◆小川泰江 委員  市町のほうはどうしても動物愛護関係の関心は総じて低いと考えております。そこをどうやって巻き込んでいくかが大きなポイントになるかと思います。  今、部長おっしゃいましたように、3月末には環境省から多頭飼育に関するガイドラインが示される予定で、動物福祉と人間福祉の連携が柱になると聞いております。人間社会の問題解決のためだということをしっかりと周知していただきたいと思います。  では、次に予防のための啓発とありますが、もう少し詳しく内容について教えていただけるでしょうか。 ◎川崎 健康医療福祉部長  こうが人福祉・動物福祉協働会議で作成をされました啓発チラシ、あるいは多頭飼育崩壊の早分かりフローチャートは、多頭崩壊の予防や早期発見のために有効というふうに考えておりまして、これを活用させていただきまして、市町福祉担当者などの関係者への説明や研修なども行ってまいりたいと思っております。  また、先ほど申し上げました啓発動画におきましては、例えば犬、猫の生態、正しい飼い方、多頭飼育の様々な悪影響のみならず、多頭飼育崩壊が起こった場合の対応などもお示しをいたしまして、多頭飼育が動物だけでなく人の福祉に関わる課題であり、その解決のためには関係者の連携が必須であるということもお知らせしたいと思っております。  この啓発動画につきましては、県民の皆様、市、飼育者、特に多頭飼育崩壊のリスクが高いと考えられるような方にとっても適正飼育や多頭飼育に対する理解が深まるような分かりやすいものとして作成をいたしまして、飼育者への現場での支援に活用もいたしたいと思っておりますし、また、動画サイトに掲載するなどの方法も使って広く活用してまいりたいと思っております。 ◆小川泰江 委員  届ける相手によっても内容が変わってくるかと思いますが、動画は何種類か作られるという理解でよろしいんでしょうか。 ◎川崎 健康医療福祉部長  予算の範囲内でできるだけ多くの種類のものを作れればと思っております。 ◆小川泰江 委員  次に、飼育者の支援等とありますが、こちらの内容についても教えていただけるでしょうか。 ◎川崎 健康医療福祉部長  飼育者への支援につきましては、県や市町環境部局、動物愛護団体による適正飼育への助言指導や譲渡の推進、さらには市町福祉部局による飼育者の状況に応じた福祉サービスの提供、そして、自治会や民生委員などによる早期発見や継続的な見守りなどがあると思っております。  また、多頭飼育崩壊の現場におきましては、動物の繁殖を抑えるための不妊去勢手術が必要となってまいりますが、飼い主責任を果たすことが困難であると認められるような飼育者に係る動物につきましては、動物愛護団体が預かっていただいて不妊去勢手術を実施し、県としてはその経費に対して補助を行うということを考えております。 ◆小川泰江 委員  今おっしゃいましたように、実効性を担保しようと思うとやはりできるだけ早い繁殖抑制に尽きると思います。  以前、福祉からの要請で動物愛護センターの不妊手術など、ルールを作ってもっと取り組んだらどうかと提案させていただきましたが、これをモデル事業的にやっぱり試行してみてはいかがかと思いますが、現段階での見解はいかがでしょうか。 ◎川崎 健康医療福祉部長  動物保護管理センターにつきましては、動物愛護に係る普及啓発や譲渡の推進を行っておりますし、また、地域猫対策事業における不妊去勢手術なども実施をいたしております。  センターの業務量もやっぱり考慮をいたしまして、この多頭飼育対策に係る不妊去勢手術につきましては、先ほど申し上げたとおり動物愛護団体が実施される不妊去勢手術に対する補助というスキームを考えているところでございます。 ◆小川泰江 委員  この愛護団体の定義自体、現実的には難しい部分もあるかと思いますが、いずれにせよ全国的にもあまり例のない試みで、まだまだ試行錯誤にはなると思います。人も動物も未来へと幸せが続く滋賀を目指した実効性のある取組になるよう期待しております。よろしくお願いいたします。  それでは最後に、部局別予算概要118ページ、地域養護推進事業についてお伺いいたします。
     全国では児童虐待の通告が過去最多となり、コロナの影響が懸念されています。滋賀においては、通告の数は減少したことが報告されましたが、県内の自立支援ホームに昨年入所した17歳の若者からはこんな言葉が届いています。「ステイホームという言葉はちゃんちゃらおかしい。テレビの偉い人らはどこの家も安全だと思っているのかな。おやじに毎日木刀で殴られ、頭から灯油をかけられて、バイト代を取られていた。いつ殺されるかと怖い目に遭ってきた。」このようにコロナ禍の中、虐待の深刻化も危惧されており、未来を共に担う若者たちへのサポートはより重要度を増していると考えます。  この項の一問目に、まず社会的擁護の措置終了後の若者たちの置かれている現状について、健康医療福祉部長にお伺いいたします。以下全て健康医療福祉部長にお願いいたします。 ◎川崎 健康医療福祉部長  平成30年度に実施をされました滋賀県児童福祉入所施設協議会の調査におきましては、県内4か所の児童養護施設において平成25年度から平成29年度の5年間に高校を卒業した者が49名おりまして、卒業後就職した人が24人、このうち9人が1年以内に退職、あるいは転職したということでございます。  また、進学した者は12名おりますが、このうち2名が1年以内に休学あるいは退学をしていたという結果でございました。  また、この調査結果というわけではございませんが、協議会からはこうした退職や退学などに関しまして、虐待を受けた体験があり、就職しても精神的に不安定な状態となり、1か月で退職したケース、あるいは大学に進学し一人暮らしを始めましたが、大学生活にもなじめず不安な気持ちからパニック発作を起こして休学に至ったケース、このようなケースもあるとはお聞きしております。  こうした状況も踏まえまして、改めまして退所後の支援の重要性というのを認識はいたしております。 ◆小川泰江 委員  ありがとうございます。  この地域養護というものは少し聞き慣れない言葉ですが、その意味も含めて地域養護推進事業の概要を教えていただけるでしょうか。 ◎川崎 健康医療福祉部長  施設を退所した若者への支援につきましては、頼れる家族、親族がいないということもございまして、主に施設で担当いただいていた職員さんに担ってきていただいたというところでありますけども、支援が困難な児童の増加によりまして在籍児への対応の強化も求められておりまして、そうした支援も難しくなってきているというふうに認識しております。  こうしましたことから、本事業では退所した若者への支援を施設だけではなく福祉や医療、就労など地域の様々な機関との連携により、地域で支える仕組み作りを構築しようというものでございます。  具体的には、支援の拠点として退所した若者の相談や支援の調整を行うコーディネーターを配置いたしました地域養護支援センターを県内に2か所設置をいたしまして、アウトリーチによる相談も行いながら、できるだけ身近な地域で関係者とともに支援を行う体制を作ろうというものでございます。  そして、さらに各センターの相談支援で明らかになった困難な課題について、検討や助言を行うため、福祉、就労、司法など関係機関で構成をいたします地域養護推進協議会を設置し、地域での支援につなげていきたいというふうに思っております。 ◆小川泰江 委員  その仕組みの中で、県の果たす役割はどうお考えでしょうか。 ◎川崎 健康医療福祉部長  県といたしましては、この事業の実施主体という意味で、事業が円滑に立ち上がるように協議会やセンターを運営いただく機関などの調整を行っていくということがございます。  また、事業が立ち上がった後は、県としても協議会にも参画してまいりたいと思っておりますし、さらには継続的に運営できるように今後とも必要な予算の確保に努めてまいりたいと思っております。 ◆小川泰江 委員  ぜひともよろしくお願いいたします。  また、先ほども地域養護推進協議会のことをおっしゃいました。ここに協議会統括員スーパーバイザーという方が配置されますが、この方がすごくもうキーマンになるかと思います。その人選が非常に重要だと考えますが、所見はいかがでしょうか。 ◎川崎 健康医療福祉部長  委員御指摘のとおりだと考えております。退所後の支援につきましては、日常の生活支援だけではなく、就労、住宅、司法に関することなど多岐にわたっていると思っておりまして、協議会に配置する統括員は、こうした課題に対して関係機関と調整を行いながら支援に結びつけることが役割でございます。県内の地域養護を推進する上でも非常に重要な立場にあると思っております。  具体的な人材につきましては、社会的擁護などの社会福祉に関する事業に関わった経験をお持ちの方、また、地域包括支援のように様々な分野との調整が必要となってまいりますことから、こうした経験能力を有する人材を探していく必要があると思っております。 ◆小川泰江 委員  今おっしゃられました想定されてる様々な課題の中には、触法や離職、また住居確保という項目も挙げられています。  この地域養護推進協議会の構成員ですね、今からメンバーの方を集めておられると思うんですが、様々な分野の専門家が部局横断的に参画することが必要と考えますが、これについて御所見を伺いたいと思います。 ◎川崎 健康医療福祉部長  ただいま御指摘いただいたとおりでございまして、施設を退所した若者への支援を行うに当たりましては、福祉、医療、就労、住居、司法などやはり様々な分野に及ぶということでございます。  こうした関係者に協議会への参画をお願いしますとともに、関連する県の部局とも連携しながら取組を進めてまいりたいと思っております。 ◆小川泰江 委員  ぜひとも就労関係、また、本日いらっしゃらないんですが警察関係の方、そして公営住宅も含めた居住関係の各部署の皆様、御協力をよろしくお願いいたします。  2019年に東京都渋谷区で児童養護施設の施設長が元入所者の青年に刺殺されるという事件が起こりました。施設に恨みがあったとの供述ですが、青年は退所後施設が紹介したアパートで家賃を滞納したり、壁を壊したりするトラブルを起こし、その際の修理費を立て替えたり新たな就職先を探したりと、施設側は懸命にサポートしており、逆恨みや被害妄想の可能性が高いと考えられています。被疑者が心神喪失とされ不起訴となったため、詳細については不明なままとなっており、御遺族は無念の思いを訴えておられます。  このように、これまでは社会的擁護終了後の様々な課題については、出身施設や里親さんが抱えてこられたのが現状です。何人もの入居の際の連帯保証人になり、これ以上審査が通らなくなった、そんな声も実際に聞かれます。施設の先生方など関わる方たちが孤立することがないよう、社会全体で支え合っていける仕組み作りの一歩としてこの地域養護の取組がしっかりと進むことを期待し、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○川島隆二 委員長  以上で、小川泰江委員の質疑を終了いたします。  しばらくそのままでお待ちください。  次に、大橋通伸委員、待機席へお願いいたします。  それでは、大橋通伸委員の発言を許します。 ◆大橋通伸 委員  まず、県民との対話と可視化による県政の実現についてお尋ねします。  546万円余を計上された新規事業、応答性を備えた対話と共感による広報サイクルの構築事業について伺います。  この事業のネーミングには、これまでの広報広聴事業についての深い反省を感じました。この事業の県民の声の収集・可視化システムの構築とは、県民を取り巻く情勢の変化を的確に捉え、県民のニーズによりよく応えていこうとするものでしょう。収集・可視化システムは、この予算でどの程度のことが実現できるのでしょうか。知事公室長に問います。 ◎水上 知事公室長  これまでから知事への手紙や県政世論調査、県政モニターアンケートなど、様々な広報事業を通じ県民の皆様からの声をお聞きし、政策につなげてまいりました。  特にコロナ禍では、知事への手紙を初め様々な方法により県民の皆様から大変多くのお声をお寄せいただき、それらの声を政策やその時々の広報にも生かし対応してきたところでございます。  そうした経験を踏まえ、今後より幅広く県民の声をお聞きし、それを分析、可視化して、県民の皆様の思いを一層把握していくことが重要であると痛感したところでございます。  そのため、来年度は直接県に寄せられた声だけではなく、市町へ寄せられた声やツイッターでつぶやかれている声、ヤフーの検索ビッグデータのうち、滋賀県あるいは県政に関する声を収集し、感情分析やトレンド分析といった様々な手法で分析し、可視化してまいりたいと考えております。  収集から分析、可視化までのプロセスを県民の皆様により分かりやすくお示しできるよう、大学や民間関係機関の知見も生かしながら取り組んでまいります。 ◆大橋通伸 委員  では、どのような効果を見込んでいますか、知事公室長に伺います。 ◎水上 知事公室長  県民の皆様の声を可視化した分析結果につきましては、知事の定例会見やホームページなどを通じまして広く県民の皆様に情報提供をするとともに、庁内で情報共有することで施策構築や政策判断の根拠、エビデンスとして活用し、県民の声の県政への反映につなげてまいりたいと考えております。  また、県民の声を基に構築された施策や政策判断について、より伝わる広報に努め県民にお知らせすることにより、その施策や判断に係る新たな声をさらに県にお寄せいただくことを期待しているところでございます。  こうした広報と広聴の好循環を作り出し、さらに政策形成につなげることによりまして、県民の皆様との相互理解を深める広報サイクルの構築を目指してまいりたいと存じます。 ◆大橋通伸 委員  この事業では、伝えるから伝わる広報の展開も示されました。世界を異なる解釈で見ている私たち一人一人が理想を捨てず、困難な現実、困難な課題に立ち向かうには、県が伝えるから伝わる広報を展開していくことは極めて重要です。  この事業名にうたわれた応答性という言葉には、「こんにちは!三日月です」を初め、これまでの行動からも知事の並々ならぬ思いが込められていると感じました。知事、その心中をお聞かせください。 ◎三日月 知事  本当は1時間ぐらい話したいぐらいなんですけども短くお話し申し上げます。  従前から「こんにちは!三日月です」を初め、県内各地に出向き、県民から直接御意見や御提案を伺う機会を大切にしてまいりましたが、今年度はコロナ禍を背景といたしまして、9,000件という例年の9年分を超える多くのお声を寄せていただいているところでございます。  担当職員、大変なんですけど、手間と時間を惜しまず頂いたお声を丁寧に整理して私の元に届けてくれております。県政の関心の高まりを実感いたしますとともに、様々な状況に置かれている方々から多様な御意見をお聞きすることの必要性と可能性に気づかされているところです。  また、コロナ禍におきましては、高齢の方、外国人県民など、県民お一人お一人に必要な情報を分かりやすくお届けする伝わる広報の重要性も再認識しているところでございます。  ポストコロナの時代を見据え、応答性のある対話の実践こそが大切であると改めて認識いたしまして、これまでの県政はその応答性をしっかり備えることができていただろうかと自問自答しながら、また、深く顧みながら今後の取組を考えているところでございます。  これからも県民の皆様方の御意見や御提案、不安やお困り事といった声にしっかりと耳を傾けるとともに、声なき声も含めた幅広い県民の声を把握し、県民の思いに寄り添いお応えしていくことで広報サイクルを構築し、もってよりよき自治を追求していきたいと考えているところです。 ◆大橋通伸 委員  知事は年頭の挨拶や今議会の提案説明、加えて我が会派の代表質問への御答弁でも次世代会議の場を作り、県政に生かしていきますと述べられました。(仮称)次世代会議は基本構想普及啓発事業の県民との対話の場の一つとなり、広報広聴事業の核の一つにもなろうかと思います。期待しています。  明治維新は言わずもがな未来に明かりをともすのはいつの時代も若者でした。(仮称)次世代会議の予算と併せてその展開のイメージをお示しください。知事、お願いします。 ◎三日月 知事  予算上、基本構想普及啓発事業といたしまして令和3年度は5回のタウンミーティングの開催を予定しておりまして、うち2回は(仮称)次世代会議として我々が直面する様々な課題に対する若い世代の意見やアイデアを伺う場にしたいと考えております。  令和2年度は、高校生の皆さんの御意見を聞く機会を設けてまいりましたが、来年度の(仮称)次世代会議の開催に当たりましては、参加者を無作為で選定するなどの工夫を加えることでふだん聞くことができない様々な立場の若者の率直な思いを伺ってみたいと考えております。  また、ここでの議論は令和4年度に予定しております基本構想の次期実施計画の見直しに向けた検討にも役立てるとともに、県の施策への反映についても検討してまいりたいと考えております。 ◆大橋通伸 委員  次に、391万円余を計上された死生懇話会の開催について伺います。  明日オンラインにて第1回死生懇話会が開催されます。私も参加させていただきます。死生懇話会庁内ワーキンググループが実施された死生観に関する職員アンケートの結果を拝見いたしました。この取組を実施することへの問いには肯定的に捉える職員が約52%、否定的に捉える職員が約35%と職員の支持が思いのほか少なく、冷ややかな反応や異論が多いことにも戸惑いました。  庁内アンケート自体は評価しています。このアンケート結果について、知事の御所見を伺います。 ◎三日月 知事  私は、大橋委員とちょっと異なる見方をしているんですけれども、むしろ思ったよりも多くの関心があり、また、肯定的に捉える方が多かったなという印象を持っております。物の見方によって違うのかもしれません。  死生観に関する職員アンケートについては、まずは県職員にこの取組を周知することと、取組に対する考え方や業務との関連についての捉え方等を聞くために実施したものでございまして、回答率は約20%ということでございました。回答者数は732人ということでございまして、一定のボリュームを得られたのではないかなと考えております。  死ですとか生、生きることの捉え方については、もともと一人一人考え方や価値観が異なるものでございまして、肯定、否定どちらの意見も多かったのは、一定予想されたことだと思っております。  また、どういった取組を進めていくのかまだ見えていない中で実施したアンケートでございましたが、どちらの意見の中にも今後の進め方の参考となるものが多くあり、今も常々時々反すうするんですけれども、大変有益なものであったと考えているところでございます。  死生懇話会の取組は、死や生という根源的なテーマにつきまして幅広い視点で議論や情報提供を行うものであり、県行政のあらゆる分野に関わる可能性がありますため、今年度県庁内にワーキンググループを設置いたしまして、意見交換や死、生に関わる活動をされている方々へのヒアリング等部局横断での取組を実施してきたところでございます。  今後もその意義や業務との関連づけ等について、様々な分野や職種の職員の意見も聞きながら進めていきたいと考えております。 ◆大橋通伸 委員  ただいまの御答弁で結構おなかが膨れたんですが、予定どおり質問します。  また、肯定的な意見が多くあった一方、「もっと違うことに人材と時間を投入すべき」、「医療法人、宗教法人や公益法人、NPOなどが取り組むべき課題」、「生を充実させる施策を行っていない部局があるのでしょうか」などの意見もあったと伺っております。  県職員の意識をあまねくそろえることは困難なテーマの事業であることはもとより想定しておりました。こうした県職員の現状に照らし、知事の意気込みの強いこの事業をどう進めていこうとお考えでしょうか、知事、もう一度お願いいたします。 ◎三日月 知事  失礼いたしました。  もとより丁寧に進めていきたいと思います。あまり短兵急に成果を求めて何か出口、一方的な方向だけを指向して行うのではないやり方を試行していきたいと考えております。  死は避けられないものでございますし、捉え方、考え方、向き合い方は人それぞれでございます。大病ですとか身内との死別ですとか、感染症、大災害、様々な事象があればこの考え方なり捉え方は大きく揺さぶられるという、こういったこともあるでしょう。  職員のアンケートでも、肯定、否定、様々な御意見がありましたので、そういったことをまず大前提にしながら丁寧に進めていきたいというふうに考えております。  その上で、死というものを忌み避けず、直視することによって生をより大切にしていくこと。そのために県としてできることを正面から考える場を作っていきたいと考えまして、昨年12月に死生懇話会を設置したところでございまして、第1回の死生懇話会を明日、3月6日に開催をいたします。思っていたよりもウェブでの聴講のお申込みが大変多くて、昨日現在で180名を超えてらっしゃるということでございますので、こういった方々にも御覧をいただきながら進めていきたいと考えております。  来年度令和3年度は、この死生懇話会を県民の皆様と双方向のやりとりもできる仕組みを取り入れながら、引き続き開催するとともに、民間団体等で様々行われている死や生に関する活動や研究をお聞きする取組を積み重ね、その内容を広く発信していきたい、世に問うていきたいと、問いかけていきたいと考えております。  こういった取組を通じまして、県民の皆様が私たち自身がそうですけれども、それぞれに考える機会を持ち、より豊かに生きることのヒントや気づきを見つけられるよう、見つけていただけるよう取組を進めるとともに、それを庁内の様々な分野や職種の職員と共有することで、多くの方が旅立たれる、亡くなられる多死社会ですとか、長生きできるようになる人生100年時代に行政ができること、求められることっていうのがどういうことなのかということを探っていきたいと考えているところでございます。 ◆大橋通伸 委員  知事の今の御答弁、この議場にいる皆様もそれぞれの生い立ちとか暮らしておられる地域とかなどで様々な受け止めをされたのかなと。私もいろいろな思いで聞かせていただいた次第です。ありがとうございます。  次に、失業なき労働移動にかかる事業についてお尋ねします。
     3,390万円を計上された新規事業、雇用シェアサポート事業について伺います。  この新規事業は、分野を横断した雇用シェア、出向、副業および転籍を総合的に支援するものです。新たに開設する滋賀県雇用シェアサポートセンターには、この予算でどんな任務と役割を担わせますか、商工観光労働部長に伺います。 ◎森中 商工観光労働部長  雇用シェアサポートセンターでは、従前から失業なき労働移動に取り組んでこられた産業雇用安定センターと綿密に連携しながら、コロナ禍を踏まえた多様な働き方の実現に向けた出向、副業等の雇用シェアの取組をスムーズに進めるためのサポート業務を行うこととしております。  具体的には、社会保険労務士を配置し、雇用シェアに必要な就業規則の改正などの支援を行うほか、労働者のキャリア開発に関する意識を啓発するためのセミナー等の開催や、出向事例集の作成等を通じて雇用シェアや産業雇用安定センターの取組を理解していただく取組を行いまして、失業なき労働移動の仕組みを定着していくための環境づくりを進める中核的な役割を担えるようにしていきたいと考えております。 ◆大橋通伸 委員  人出不足にある農林水産業、介護事業、建設業などはこの事業の射程に入っていますか、商工観光労働部長に伺います。 ◎森中 商工観光労働部長  昨年12月に組織横断的な庁内検討チームを設置し、雇用シェアに向けて雇用維持が困難な分野と人手不足が続いている分野の双方における課題等の共有を図っているところでございます。  この庁内対応検討チームの構成員としましては、農業経営課、医療福祉推進課、技術管理課など、農林水産業、介護事業、建設業に関わりの深い所属の職員も加わっていただいておりまして、雇用シェアの対象分野として農林水産業、介護事業、建設業なども念頭に置いているところでございます。 ◆大橋通伸 委員  では、その誘導の仕組みについて伺います。商工観光労働部長、お願いします。 ◎森中 商工観光労働部長  慢性的な人手不足にある業界に人材を誘導していくためには、まずは各業界が主体的にその魅力を発信していただくことが重要であると考えます。  その上で、雇用シェアサポートセンターにおきまして、雇用シェアの仕組みに関する認知度の向上に向けまして、各分野の関係団体等を通じた啓発、セミナーの開催や出向事例集の作成などにより、人材の受入れニーズや送り出しのニーズを掘り起こし、産業雇用安定センターにつないでいくとともに、就業規則の改正など労働条件の整備を支援するため、先ほど申し上げました社会保険労務士などの専門アドバイザーによるきめ細かな相談を行うなど、雇用シェアの取組を支援してまいりたいと考えております。 ◆大橋通伸 委員  御答弁にもございましたが、この事業の推進に際しては、仕事内容、賃金、出向期間などの労働条件について、企業の責任が曖昧にならぬように願うものです。  産業雇用安定センターとの連携協定は、どのような内容になっていますか、商工観光労働部長に伺います。 ◎森中 商工観光労働部長  企業間の在籍型出向、移籍の支援を強化し、新型コロナウイルス感染症により影響を受ける企業の雇用を守ることを目的としまして、今週火曜日、3月2日でございますが、滋賀県と公益財団法人産業雇用安定センターとの連携に関する協定書を締結させていただいたところでございます。  この協定におきましては、連携事項といたしましてまず1つ目、県内企業自らが人材ニーズを産業雇用安定センターに提供することの促進に関すること、2つ目としまして、産業雇用安定センターが行う人材送り出し企業と人材受入れ企業間のマッチングに関すること、3番目としまして、定期的な情報交換の実施に関することなどを掲げておりまして、今後、この協定に基づきまして県雇用シェアサポートセンターと産業雇用安定センターが情報共有や連携を密に図りながら雇用シェアの取組を進めてまいりたいと考えております。 ◆大橋通伸 委員  情報を多く持つ労働組合は、この事業にどのように関わっていきますか、商工観光労働部長にお伺いします。 ◎森中 商工観光労働部長  昨年9月15日に県、滋賀労働局、使用者団体、労働者団体、産業雇用安定センターによる意見交換の場を設けまして、雇用シェアに関する課題を共有し、相互に協力していくことについて合意をいたしました。  その後も雇用シェアサポートセンターの仕組みについて逐次意見交換を行ってきたところでございます。  来年度におきましても労働者の視点も含めた失業なき労働移動の取組を推進する体制作りとして、今申し上げました行政、使用者団体、労働者団体、産業雇用安定センター等による定期的な意見交換の場を設けることとしております。  雇用シェアの取組は、前例の少ない難しいものであり、また、出向というものは職場が変わりこれまでとは違う働き方になることから、労働者の方が不安を覚えるということも多いと思っております。  こうしたことから、労働組合の関係者に御参画いただきまして、労働者の立場からの提案や意見を頂くことで雇用シェアが労働者のキャリアアップにもつながっていく仕組みとなるようしていきたいと考えております。 ◆大橋通伸 委員  関連して、離職者早期就職支援事業について伺います。  この事業は、今年度に続く事業です。来年度は拡充して3億円が計上されています。新規事業、雇用シェアサポート事業との予算のすみ分けについて尋ねます。商工観光労働部長、お願いします。 ◎森中 商工観光労働部長  今まで答弁させていただきました雇用シェアサポート事業につきましては、解雇に至る前に雇用維持が難しくなってきている事業者様から人手不足の事業者様へ従業員を移すことを支援するということにより、雇用の維持を図る、いわゆる失業なき労働移動の促進の取組でございます。  他方、今御質問いただきました離職者早期就職支援事業は、既に離職された方を正規職員として雇用する事業者に対して助成金を支給することにより、離職者の早期再就職を実現していくための取組でございます。  これらの事業の実施によりまして、雇用の維持、確保に向けて雇用されている方のそれぞれの状況に応じた段階的な支援を行うことができると考えております。 ◆大橋通伸 委員  よく分かりました。  失業なき労働移動の実現に向けては、離職者雇用型職業訓練推進事業も新規事業として1億4,600万円が計上されています。1億4,600万円の積算根拠をお示しください。商工観光労働部長、お願いします。 ◎森中 商工観光労働部長  離職者雇用型職業訓練推進事業でございます。こちらは、離職されている方がその訓練などを受けながら正規雇用などの就職、再就職を目指していくというものでございますが、この事業は、一般労働者派遣事業の許可事業者に委託をして実施することを想定しておりまして、1億4,600万円全額を委託料として計上しております。  その内訳でございます。まず、この事業の受講者でございますが、こちらはこの当該派遣事業者の被雇用者、雇われる方として訓練を受けますことから、この受講者の3か月分の賃金、共済費、通勤費などとしまして、約6,871万円。続きまして、最初の1か月間は基礎研修というのを受けていただきますので、この1か月間の基礎研修の実施経費としまして約860万円。  続きまして、2か月間こちら企業に実際に行っていただきまして実習を受けていただくということで、この2か月間の企業実習の実施経費としまして、約2,636万円。  それから、研修の期間中に託児サービスを利用される方への助成経費として、198万円。  その他、受託事業者の運営事務費および管理費として、約2,646万円。消費税等として、約1,389万円となっておりまして、総事業費1億4,600万円のうち約8割がその賃金ですとか、研修事業費等に充てられるということで想定しております。 ◆大橋通伸 委員  最後に、「やまの健康」推進事業費および関連事業について問います。  農山村の活性化の観点からお尋ねします。1,465万円を計上された「やまの健康」推進事業費について伺います。この事業は、モデルとなった地域の住民自らが地域資源を活用して農山村の魅力を高め、地域の維持、活性化を図る取組を支援するものです。来年度、この事業、どう進めていこうとお考えですか、琵琶湖環境部長に伺います。 ◎石河 琵琶湖環境部長  本事業は、県内に5つの地域をモデルとして設定し、それぞれの地域の課題解決や活性化に向けた地域資源の活用や農山村の優位性を生かした取組に対し支援するものでございます。具体的な支援としましては、今年度までは地域の活動に要する経費を支援する活動交付金と実際に活動いただく方の人件費を想定した推進体制整備費とに分かれていたところであります。  しかしながら、地域によっては無償で活動することを前提とされていたり、人件費よりも活動に係る経費を重視されるなどの課題が生じました。  そのようなことから、令和3年度予算ではこれらを統合し、活動交付金の自由度に配慮することで事業のさらなる促進を図ることとしたところでございます。  なお、「やまの健康」モデル地域以外の農山村の活性化につきましては、各部局で実施する森林の資源をなりわいとして生かすための支援を初め、地域の活性化に取り組むリーダー育成研修や、所得向上や雇用増大などにつながる農泊の取組支援、集落と企業等が協働連携して取り組むプロジェクトの推進など、庁内が横断的に連携、展開することによって、移住、交流を含めた関係人口の創出を図り、県の農山村全体の活性化を図ってまいりたいと存じます。 ◆大橋通伸 委員  1,000万円を計上された「やまの健康」実践事業費について伺います。  2年目に向かうこの事業は、森林空間を初めとした資源を活用するとしていますが、どういうものでしょうか、琵琶湖環境部長に伺います。 ◎石河 琵琶湖環境部長  昨今、林野庁で木材を初めとする森林の物質的な利用から森林の場を林業以外の業種、例えば健康医療、観光、教育など多用な分野に活用することで、国民の多様なニーズに応える新たな産業を興そうとする森林サービス産業の推進が図られているところであります。  本県におきましても、今年度高島市が実施する森林空間を生かした健康づくりであるクアオルトウオーキングが林野庁の森林サービス産業の純モデル地域に選定されたところでございます。  県としてもこのような取組に対し、県内外の企業と連携を図ることによって後押ししていきたいと存じます。 ◆大橋通伸 委員  令和3年度はどのような取組に発展させようと思っていらっしゃいますか、琵琶湖環境部長に伺います。 ◎石河 琵琶湖環境部長  新型コロナウイルス感染拡大や働き方の見直しによりワ―ケーションをはじめ新しい生活様式の構築に対する様々なニーズが高まっております。  このような社会ニーズの変動を踏まえ、本県におきましても企業の従業員の健康作りや社員研修を森林の中で実施するなど、森林そのものを活用したサービスを構築すべく企業のニーズ調査を行い、新しい取組の構築に向けた検討を始めていくこととしたいと考えております。 ◆大橋通伸 委員  370万円を計上された新規事業、農山村の新生活様式サポート事業について伺います。  この新規事業は、新たな生活体験を支援し、農山村を支える関係人口を創出することを目的としています。この事業で思い出したのは、今年度開催の子ども県議会での一番手の提案。本県で志願する人のための住む場所、マンションを農業や地域活動などとセットで提供するという提案。地域を元気にシガンションプロジェクトです。この事業にとても有効な提案でそれはあっぱれでした。知事の応答性ある答弁もあっぱれでした。  さて、この事業、ターゲットをどうするかなど、どのように効果的な取組をされようとしていますか、農政水産部長に伺います。 ◎西川 農政水産部長  農山村の新生活様式サポート事業、これは既に滋賀県に移住をされ、テレワーク等を活用しながら農業や地域活動に関わった生活を送っていらっしゃるそうした人物を取材させていただきまして、その情報を発信するとともに、農山村での生活に興味をお持ちの都市住民に対して新たな生活体験をしていただけるそうした支援をしようとするものでございます。  農山村への移住を考えますときに、やはり新たに仕事を見つけることが難しいということであったり、定着のためには周辺環境や移住先との相性といったものが大きく影響する。そうしたハードルがあるものと承知をしております。  このため、テレワーク等により仕事を継続しながら移住を希望するそうした方をターゲットに、住む場所と地域活動をセットにした長期のお試し移住体験を提供するということとともに、市町とも連携の上、地域住民との交流の場や病院、店舗等の生活施設の見学等を実施したいというふうに考えているところでございます。  このことは、住む場所と働く場所をセットにし、さらには体験を通じて滋賀に住む人を増やすという視点で、御紹介のあった子ども県議会の提案、シガンションプロジェクトとも相通ずるものがあるというふうに考えておりまして、この視点を大切にしながら効果的に取り組んでまいりたいというふうに存じます。 ◆大橋通伸 委員  350万円を計上された新規事業、農山村ニューツーリズム推進事業について伺います。  この新規事業は、他府県にも類似した事業が3件できます。滋賀ならではとうたうにふさわしい磨き上げと発信強化が求められます。  この事業の成果を上げるため、他府県との差別化をどのように図ろうとしていますか、農政水産部長に伺います。 ◎西川 農政水産部長  この事業の実施に当たりましては、ツアーの参加者に例えば農業遺産に認定をされております「森・里・湖に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システム」を体感していただけるようなもの、あるいは、「やまの健康」推進事業のモデル地域、それから、「しがのふるさと支え合いプロジェクト」参加集落などでの特徴的な取組に参加をいただくことなどを考えておりますし、そうした中で、一時的ではあるけれども農家や漁師になって地域住民と一緒に汗を流すというようなことを通じて、単なる体験ではなく、地域への貢献という充実感も味わっていただきたいというふうに考えております。  具体的には、例えば魚のゆりかご水田での魚道設置や琵琶湖でのエリ漁、琵琶湖を一望する棚田での農作業など、農業や漁業に汗を流していただいたり、農家民宿で滋賀の農村文化を実感していただくなど、本物の体験を提供することを通じて本県らしさを打ち出してまいりたいというふうに存じます。 ◆大橋通伸 委員  終わります。 ○川島隆二 委員長  以上で、大橋通伸委員の質疑を終了いたします。  しばらくそのままでお待ちください。  次に、杉本敏隆委員、待機席へお願いします。  それでは、杉本敏隆委員の発言を許します。 ◆杉本敏隆 委員  最初に、琵琶湖保全再生についてお尋ねをいたします。  部局別予算の概要の67から68ページに記載のある早崎内湖再生事業およびヨシ群落維持再生事業について、全て琵琶湖環境部長に質問します。  まず、早崎内湖再生事業について、ビオトープとは何か説明してください。 ◎石河 琵琶湖環境部長  ビオトープとは、ギリシャ語で生命を意味するビオと場所を意味するトポスを組み合わせた合成語で、生物が生物共同体、あるいは生物群集として互いにつながりを持ちながら生育、生息している空間のことであるとされております。 ◆杉本敏隆 委員  多様な意味があるそうでありますけども、私の思いとしては、今の自然環境や、あるいは生態系の保全というのがやっぱり前提だというふうに思います。  ところが、この写真を見ていただきたいんですけど、(資料掲示)左側の写真です。上が今、早崎内湖再生事業の工事をやられている現時点の状況です。下の写真は、1年半前に撮った写真です。同じところです。今やっている工事は、今これ、ちょっと水を張ってますけど、1か月ほど前までは全然水もありませんでした。まるでこれ、土地改良事業をやっているような工事で、湛水してあった田んぼに自然にあったハスやヨシ、木々を全て撤去して人口の池と道を作っています。このような進め方でいいのか、来年度予算でどのような内湖環境調査をするのか、併せてお答えください。 ◎石河 琵琶湖環境部長  現在の早崎内湖では、湖底部を掘削して掘削土を仮置きしている状態でありますが、その順応的管理の一環で実施した生物モニタリング調査におきましても多種の生物の生息等確認しておりまして、ビオトープと言えると考えております。  現在は途中ですのでそのような状態になっておりますが、工事完成時にはヨシが広がり、ゲンゴロウブナなどの在来魚の産卵、繁殖の場となり、コハクチョウなどの水鳥の生育の場となるよう、より豊かな自然環境、生態系を有するビオトープとなるよう、今後も順応的管理の下、整備してまいる所存です。
     次に、来年度予算計上をしている調査研究でございますが、来年度築堤および湖底部がおおむね完成しますことから、琵琶湖と接続し、試験的な湛水を行いまして魚類の繁殖状況や水質、プランクトンなどについて調査研究いたします。  その調査結果は、早崎内湖のその北側のほう、北側をより豊かな自然環境、生態系を有するものとするための基礎資料として整備後の維持管理方法などについて検討してまいります。 ◆杉本敏隆 委員  かつて早崎内湖は、フナやコイの一大繁殖基地として機能していました。それをこういう形で全部自然を撤去してしまって、人口の池にしてしまうようなことだったら、別に早崎内湖でなくってもどこか湖岸の近くの別のところで、田んぼを掘って水を入れて琵琶湖をつなげてやるのとほとんど変わらないんではないかというふうに思います。琵琶湖とつながってどのようになるか、楽しみにしますけども、もう少し、今これ、丁野木川の北側をやってるんですけど、順次南側をされると思うんですけども、やっぱり今ある自然をしっかりと生かしたこのビオトープ事業の進め方をしていただきたいというふうに要望しておきます。  次に、ヨシ群落維持再生事業について質問します。  もう一度、写真の右側を見ていただきたいんですけども、(資料掲示)これ、今、湖北町のこのちょうど今の早崎内湖のすぐ近くなんですけども、延勝寺と海老江のヨシ帯の写真です。柳などの樹木が生い茂り、ヨシ群落が衰退をしています。これをヨシ群落を維持するためにはやっぱり区域を決めて抜本的な樹木の伐採が必要だと思うんですけども、来年度の予算は僅か175万円です。これでどのようにヨシ群落の維持再生を図るのか質問します。 ◎石河 琵琶湖環境部長  来年度予算を計上させていただいておりますヨシ群落維持再生事業費は、ヨシや柳の生育状況調査と柳の伐採を行うものでございます。  なお、この伐採する柳は、巨木化してヨシの衰退の原因となっているものを対象といたします。この柳ですが、これまでの調査で琵琶湖と内湖のヨシ群落には伐採が必要な柳が約3,400本以上存在しているということを把握しております。そのうち、来年度この事業では、50本程度の伐採を想定しております。次年度以降も事業を継続して柳の伐採を進めたいと思います。  しかし、この本事業だけでは柳の巨木化によるヨシの衰退という課題を解決できないため、現在、改定を行っておりますヨシ群落保全基本計画の中で県民や企業によるボランティアとの協働による保全活動を広げるなど、地域の実情に応じてヨシ群落の維持再生が取り組める方向性を示していきたいと存じます。  なお、今年度は長浜市立びわ中学校がヨシの保全活動を行っておられる場所で巨木化した柳を伐採したところでありまして、今後も地域のヨシ群落保全活動との関わりも考慮しながら事業を進めてまいりたいと存じます。 ◆杉本敏隆 委員  ヨシ帯の造成によって琵琶湖全域のヨシ群落の面積は以前と比べてかなり回復しているというふうに言われますけども、この写真を見て分かるように、ヨシ帯そのものが劣化をしています。  だからそういう意味では、この抜本的にこの樹木の伐採をしなければいけないと思うんですよ。三千何百本と言われましたけども、だったら予算としてはこれの100倍くらいの予算がどうしても必要になるというふうに思います。区域をしっかり決めて、この柳の木の伐採をやって、ヨシ群落の保全をやっていただきたいということを求めておきます。  次に、部局別予算の概要97ページにある新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業についてですが、今、市町が努力されていますが、ワクチン接種に従事する医師、看護師の報酬について、市町間の調整の役割を県が果たすのかどうか、健康医療福祉部長に質問します。 ◎川崎 健康医療福祉部長  答弁を角野健康医療福祉部理事に委任いたします。 ◎角野 健康医療福祉部理事  現在、市町、近隣府県への聞き取りを行うなど、目安となる単価の検討を進めており、来週中にはお示ししたいと考えているところでございます。 ◆杉本敏隆 委員  次に、障害者のワクチン接種について、大会場で接種後30分様子を見ることなど、通常と異なる状況下で障害者が混乱するおそれがあると障害者施設の関係者は危惧されています。インフルエンザ接種の場合、施設に医師が来て接種する事例があるとお聞きしています。  障害者のワクチン接種体制について、県はどのように考えておられるのか、健康医療福祉部長に質問します。 ◎川崎 健康医療福祉部長  答弁を角野健康医療福祉部理事に委任いたします。 ◎角野 健康医療福祉部理事  身体障害、知的障害、精神障害など、様々な障害の程度、区分の方がおられ、個々の障害に応じたきめ細かな配慮が必要であると考えております。  障害者への特性に応じた合理的配慮の提供については、令和3年3月3日付の事務連絡で厚生労働省から接種会場において公的な福祉サービスによる支援が、円滑、柔軟に受けられることなどを示されたところでございます。  市町においては、移動が困難な方への巡回バスによる集団接種会場へのアクセス方法の確保や、集団接種会場での接種が難しい障害者の方への巡回接種や個別接種を行うことなどを検討されているところです。  県としましても市町の検討状況を把握して、必要な情報提供を行い、障害者の方が安心して接種を受けられる体制を整えられるよう支援してまいりたいと思います。 ◆杉本敏隆 委員  市町任せにしないように、県のリーダーシップを発揮していただきたいと思います。  次に、保健師の増員についてお尋ねをします。  新型コロナ対応の最前線に立つ保健所の業務が逼迫しています。来年度7名の保健師を増員するとされていますが、これによって県職員の保健師は何名になるのか、健康医療福祉部長に質問します。 ◎川崎 健康医療福祉部長  県職員の保健師数は、保健所におけます7名の増員を含めまして令和3年4月1日現在で101名となる見込みでございます。 ◆杉本敏隆 委員  都道府県の標準団体の保健師の交付税措置の基準は、現在88人となっていますが、来年度はこれが増やされます。感染症対応の保健師を標準団体ベースで6人増、約3,200万円、全国で約20億円、感染症対応以外の保健師は8人増、約4,900万円、全国で約40億円で、102人となります。  滋賀県の保健師の交付税措置はどのようになるのか、健康医療福祉部長に質問します。 ◎川崎 健康医療福祉部長  本県の保健所の保健師数につきまして交付税上何人参入されているかを正確に計算するということは難しいところでございますが、標準団体は人口170万人と設定をされておりますことから、仮に保健所のある大津市を除きます本県の人口約107万人にこれを置き換えて単純に計算をしてみますと、令和2年度の保健所の保健師数は標準団体88人に対しまして、本県では約55人。  また、同様に計算しまして感染症対応業務に従事する保健師の令和3年度の増員分は、標準団体6人に対しまして、本県では約4人。  それ以外の保健師の増員分につきましては、標準団体8人に対して、本県では約5人となりまして、合計で約64人ということになります。 ◆杉本敏隆 委員  政府は、保健所の感染症担当の保健師を今後2年間で900人増やす地方財政措置を執るとしています。県の今後の保健師増員の予定はどうなのか、健康医療福祉部長に質問します。 ◎川崎 健康医療福祉部長  来年度の保健師の増員などによりまして、当面必要な体制強化を図ることができたとは考えております。  その後につきましては、ただいまお答えしました財源措置の状況なども踏まえながら、その時々の保健所を取り巻く状況、あるいは保健所の本来担うべき機能などを勘案しながら、適切に判断をしてまいりたいと思っております。 ◆杉本敏隆 委員  今朝もテレビで保健所の業務が逼迫しているというのを報道してましたけども、万全な体制を作っていただきたいということを要望しておきます。  最後に、ダム関連河川対策について質問をいたします。  部局別予算の概要190ページにあるダム関連河川対策について、土木交通部長に質問します。来年度の大戸川の工事概要について説明してください。 ◎吉田 土木交通部長  大戸川ではおおむね10年確率の降雨に対応するため、黒津橋下流部から荒戸橋上流部までの約4.5キロメートルの区間で河道整備を進めてきたところであり、現在、約8割の整備が完了しております。  来年度は、ダム関連河川対策として石居橋上流右岸で護岸工事を約200メートル実施する予定であり、令和5年度末までに事業が完了するよう努めてまいります。 ◆杉本敏隆 委員  この工事は、大戸川ダムとどのような関連があるのか、土木交通部長に質問します。 ◎吉田 土木交通部長  大戸川では、国において大戸川ダムによる洪水調節が行われる計画となっており、県においてはそれを前提としておおむね10年確率の降雨に対応する河道整備を併せて実施することにより、100年確率の降雨に対応する計画としております。先ほどお答えした来年度の工事は、この河道整備の一環として実施するものでございます。 ◆杉本敏隆 委員  それで10年確率の洪水に対して、今の護岸とかいろいろな工事でそれを流すと、確保すると、流量を。それ、多分計画高水、計画高水というと思うんですけど、100年確率でダムを考えた場合に、そのときの高水は基本高水というふうに理解してるんですけども、その基本高水を計画高水を上回る分をこのダムでカバーするという理解でよろしいですか。 ◎吉田 土木交通部長  答弁を藤田流域政策局長に委任いたします。 ◎藤田 流域政策局長  基本高水量はダムの洪水調節を考慮しておりません。考慮したものが計画高水量というふうになってございます。 ◆杉本敏隆 委員  では、その10年確率の計画高水はどういうふうに算出されてるんですか、お尋ねします。 ○川島隆二 委員長  すぐ答えられますか。一応、休憩入れる。  このまましばらく休憩いたします。 休憩宣告  11時38分 再開宣告  11時39分 ○川島隆二 委員長  休憩前に引き続き、会議を開きます。 ◎吉田 土木交通部長  答弁を藤田流域政策局長に委任いたします。 ◎藤田 流域政策局長  大戸川の改修計画につきましては、国が予定しておりますダム計画と整合性を図るという形で、ダムの洪水調節を踏まえた上で100分の1の洪水に対する調節後の流量に対して高水を設定しておりまして、それに基づく河道整備で黒津橋地点での流量が約550トンということで、これが10分の1の確率流量に相当するというふうになってございます。 ◆杉本敏隆 委員  多分、この計画高水、あるいは基本高水いうのは、過去の降った雨のデータをいろいろなデータを取って、いろいろな試算、指標に合わせてそこから出されてきてると思うんですよ。  今の治水の国や県の行政の考え方は、そういう計画高水を想定して、基本高水を想定してそれを川に流すと、それで洪水を防ぐというものだというふうに思います。  ところが、今、雨の降り方は過去の基準を基にして想定できないと。線状降雨帯がかかれば100年に1回、400年に1回の洪水が明日起こるかもしれない。そういう事態になっております。  だから、2018年7月の西日本豪雨のときに、肱川などでダムがあったのにあれだけひどい被害が起こったと。これはその想定を超えた降雨に対してはダムで対応できないということを示していると思うんです。  もっと根本的に言えば、今の河川の治水の考え方がそういう過去のデータを基に川の中をしっかり安全に水を流すということにとらわれているから、それ以上の想定を超えた降雨があればあふれてしまって、堤防が破堤して大きな被害が出るというのが今の現実だと思うんです。  そういうことを考えれば、今、大戸川ダムに知事、転換されましたけども、あの勉強会でも平成27年の関東東北豪雨、あの規模の洪水が来れば大戸川が氾濫をして、避難時間を稼ぐことができるだけというふうな結論が出されています。それはダムで想定を超える降雨があれば氾濫を防ぐことができないということを勉強会の結論でも出されていると思うんですよ。  そういうことをやっぱりしっかり今認識しておく必要があると思うんですけど、最後に知事に質問します。大戸川ダムの環境に及ぼす影響について、どのように考えておられるのか説明を求めます。 ◎三日月 知事  まず、過去の大雨豪雨に基づく流量で河川をどう作るのか、それでどう流すのかというのを考えるのが治水だと、これまでの治水だと言われるのはそのとおりだと思います。  その雨を想定しながら、川をどういう幅にするのか、深さをどうするのか、堤防の高さをどうするのか、ダムを初めとする洪水調節施設をどう作るのかだと思いますが、それらの想定を超える雨が降ることも近年ありますので、その場合はどう逃げるのかとか、それでもどう備えるのかということを考えていくというのが流域治水の考え方だと思いますので、ハードの対策、ソフトの対策、それらを組み合わせてやるということが肝要ですし、本県の大戸川ダムの勉強会におきましても、当然、想定する大戸川ダムだけでは守れない、氾濫が起こってしまうということもありましたけれども、その際においても一定の流量がカットできるその時間をもって逃げる時間が確保できるという専門家の見解を頂いているところでございますので、あらゆる施設を用いながら住民の命とそして生命、財産を守るということのために何をするのかということを考えて本県としては結論を出させていただいております。  まず、今お尋ねのあった環境に対する影響ということについて申し上げれば、大戸川ダムの構造等の詳細については、今後ダムが整備されることとなった場合に設計が行われ、決定されるものと考えておりますが、環境への影響につきましては、一般論としてダムは地形を大きく改変し、景観や貯水する範囲の自然環境に影響を及ぼすものと認識しております。  また、河川がダムにより不連続となり、生物の移動が困難になること、下流への土砂供給が断たれること、貯水による水質悪化などが懸念されますが、大戸川ダムは現時点、流水型ダムとして整備することが予定されており、これらの影響は比較的少ないと考えられております。 ◆杉本敏隆 委員  平成20年12月の淀川水系河川整備計画案に対する滋賀県の評価では、大戸川ダム建設に伴う環境への影響はいまだに払拭されていないことがダム建設見送りに理由の一つとして挙げられています。  この環境への影響は払拭されたのかどうか、お尋ねいたします。 ◎三日月 知事  今後、そういったものをどう見るのかということはよく確認していかないといけないと思ってます。もちろん国の事業ですので、国において計画をされ、一定の環境アセスメントは既に行われていると承知をしておりますが、その後、もし事業規模を変えるとするならば、位置が確定するとするならば、その時点における環境の影響というものがどのように出るのか、出ないのか、こういったものを国においても確認されると思いますが、本県においてもそれらを同時に確認するということが必要になるのではないかと存じます。 ◆杉本敏隆 委員  河川法が変わって、環境ということが河川の治水に関しても非常に重要視されるようになっています。だから、計画段階でこの環境問題についてしっかりと勉強会をやる、検証をするということがどうしても今必要になってるというふうに思います。  大戸川には、大戸川漁業組合があります。そこのアピールを見ると、「大戸川は、明治以来130年にわたり、関西の釣り人を楽しませてきました。車のない時代にも、釣り好きの人たちに知られ、関西の釣り仲間が夏になるとこの渓谷に集まり、せせらぎの音を聞きながら、その日の釣果を語らう、今なお釣り好きの集まる川です。渓谷の山あいに点々と広がる釣り場。カワセミの声を聞きつつ、垂れる釣り糸に踊るアユ。静かな谷あいで心がリフレッシュできる。交通のアクセスが一番便利な関西の釣り場、名神、新名神インターより20分以内。知る人ぞ知る関西の穴場としての釣り場。夏のアユ、冬のマス、アマゴが釣り人の心をくすぐってくれる川です。」と強調しています。
     今はマスやアマゴの放流はないそうで、来年度450キログラムのアユの放流がされるようでありますけども、ダム建設によってこのような川の健康、自然の健康が損なわれるのではないか、知事、どのようにお考えですか。 ◎三日月 知事  まず、大戸川を初めとする河川ですね、特に大戸川においてそういった恵、渓流の魚の資源、また、鳥たちを含め景観を含め、そういった恵をもたらせてくれると同時に、時として人命を脅かす災いをもたらす存在であるということからいたしますと、そういったものにどう備えていくのかということも同時に重要なことであると思います。  当然、環境に対する影響ですとか、そのことをどう見るのかという評価、これまでもやられてますが、今後もさらによい計画が作られ、変えられ、また確定した段階で確認をしていく必要があると思いますし、この大戸川ダムについては、現時点流水型ダムということでございますので、そういった全てをせき止めて、そして土砂も水も流れが変わるということの影響がその貯水型ダムよりも比較的影響が少ないダムとして計画されているということもございますので、そういったことなどを前提に今後さらに見ていきたい、注視していきたいと考えております。 ◆杉本敏隆 委員  アメリカでは1995年に開墾局長官がダムの時代は終わったと、ダム開発時代の終えん宣言をした後ダム撤去に拍車がかかり、1999年から2019年までの20年間に大小合わせて1,200基近くのダムが撤去されました。ダム撤去の理由は、環境破壊と堆砂および老朽化です。  今年1月、国連大学は水インフラに関する最新報告書を発表し、ダムの老朽化による高まるリスクを警告しました。2050年までに世界人口のほとんどが20世紀に建設され設計寿命が過ぎた数万基のダムの下流域に住むことになる。日本を含めた全世界にある5万8,700基の大規模ダムのほとんどが1930年から1970年にかけて建設され、50年から100年の設計寿命である点を紹介。特に大型コンクリートダムは、建設から50年が経過した時点から老朽化の兆候を示し始める可能性が極めて高いと指摘をしています。  その例として、ダム決壊件数の増加やダムの修理、維持費用の段階的な増大、貯水池堆砂の増加、ダムの機能性と実効性の損失などがあり、相互関連性の強い老朽化兆候として報告書は指摘しています。  莫大な費用をかけたダム建設は、それで治水が終わりでなく、ダムの寿命が来たら更新撤去にさらに莫大な費用がかかる、こういう問題を持っています。  このダム問題については、もっと大きな視野で考える必要があると私は思います。私は2018年4月の本会議で、大戸川ダム勉強会設置について4知事合意の撤回、大戸川ダム建設推進への方針転換の理由づけにあると批判をしました。実際、勉強会の座長は、13年前、大戸川ダムは必要なしとした淀川水系流域委員会の委員長を批判し、大戸川ダムはよい効果を上げることが期待できるとした人物です。ダム推進や容認の学者ばかりを集めた勉強会の検証結果を旗印に掲げ、ダムが環境に及ぼす影響は全く検証せず、ダム建設推進に転換したことは、自然環境回復のためにダムの撤去を進めるアメリカをはじめとする国々のうち、ダムの老朽化による危機を告白している国連大学の報告など、世界の流れを見ない時代錯誤と言わざるを得ません。私はこのことを強く主張して、質疑を終わります。 ○川島隆二 委員長  以上で、杉本敏隆委員の質疑を終了いたします。  しばらく休憩いたします。 休憩宣告  11時52分 再開宣告  12時57分 ○川島隆二 委員長  それでは休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。  次に、柴田清行委員、待機席へお願いします。  それでは、柴田清行委員の発言を許します。 ◆柴田清行 委員  お昼、おいしいお米を頂きまして、昨日はキッチンカーの昼食も頂きました。少し睡魔もくるかもしれません。よろしくお願いしたいと思います。  お米と言いますと、昨日令和2年度米のコシヒカリが最高ランクの特Aを取ったということで、大変喜ばしいことだと思ってます。農家の皆さんには本当に感謝を申し上げ、また、関係者の皆さんにはお喜びを申し上げたいと思っております。  それでは、質疑に入りたいと思います。  地域における消防力の充実強化について質問をいたします。  一問目に、滋賀県と消防協会共催の消防操法訓練大会について質問をいたします。  ポンプ自動車と小型動力ポンプの二つの競技があります。本年度54回を数えます滋賀県消防操法大会は、コロナ感染症の影響により中止を余儀なくされました。来年度は開催経費も予算計上され、実施に向けての検討もされているところでしょうが、各自お仕事を持たれている消防団員さん、ボランティア的な活動を懸命に続けていただいてます。  実は、私も20年間消防団員を務めていましたし、現在、現職の消防団員さん、県会議員さんでも井狩先生、目片先生、木沢先生もそうですか。まだOBの方々もたくさんおられることだろうと思っております。ほかはおられませんか。  消防操法訓練大会は、消防活動の中においては技術向上や消火活動に重要な役割を果たしていると感じています。  そこで、1年間の空白を埋めることができるのか。また、一部の団員さんの中には大会そのものが活動参加への障害にもなってる部分もあり、今後の予算執行に当たって知事のお考えをお聞きいたします。 ◎三日月 知事  まず、御質問にお答えする前に、冒頭御紹介いただきました令和2年産米食味ランキングにおきまして、本県のコシヒカリが2年連続で特Aに格付されました。このことは生産者、また、集荷団体、JA、近江米振興協会はじめ多くの関係者の御努力の結晶でございまして、大変うれしく光栄に存ずるところでございます。  また、なかなか自分たちのことなんでスタッフも書けなかったんでしょうけど、現場で技術普及に当たってるスタッフ、また、営農指導に奔走するスタッフの皆様方のおかげさまでもございますので、心から感謝申し上げたいと存じます。  このことを関係者一同誇りとしながら、おいしい近江米を消費者にお届けすること、また、間もなく始まります令和3年産米の作付にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。  一方、みずかがみは、残念ながら特Aを逃すことになってしまいました。今後、検証、分析を行い、コシヒカリと併せさらに良食味を実現できるよう努力を重ねてまいりたいと存じます。  それでは、今お尋ねございました県消防操法訓練大会に対する私の思いということについてでございますが、消防団員の皆様方には地域の防災の要として日頃からそれぞれの地域の安全、安心のために消防防災活動に御精励いただいてることに心から敬意を表するとともに感謝を申し上げたいと存じます。  県の消防操法訓練大会は、日頃の訓練の成果を披露する場として年1回開催しており、私も現地で真剣に取り組んでおられる、また、事前の練習や訓練の状況も含めてお聞きしながら、その雄姿を拝見し、心強く感じているところでございます。  各消防団は、県大会に出場することを大きな目標とされており、訓練により操法を繰り返し確認され、訓練され、消防技術の向上につながっているものと考えております。  今年度は残念ながら新型コロナウイルス感染症下でありましたことから、感染防止対策を図る上で県大会を中止いたしましたが、日常の訓練において基本的な消防技術は維持されていると考えております。  令和3年度の操法大会につきましては、いまだ新型コロナウイルス感染症下でありますことから、開催の可否および開催方法について、現在、県消防協会と調整しているところでございます。  なお、大会を実施するに当たりましては、適切な感染防止対策を講じるとともに、今も言及いただきましたが、消防団員やその御家族の過度な負担とならないよう、訓練の在り方等についても検討をしていかなければならないと考えております。  県民の安全・安心に大きく貢献している操法大会でありますことから、本大会が再開できることを願い、また努めてまいりたいと存じます。 ◆柴田清行 委員  消防団員の方々にとっても大変貴重な大会であろうと思っております。もう今年度は開催に向けて消防協会としては動きをされているということも聞いておりまして、私の近くの消防団員はポンプ操法の選手に選ばれたというような話も聞いております。  今後しっかりとした共催としての県としての役目を果たしていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  続いて、各市町における小型動力ポンプの整備についてお尋ねをいたします。  県がまとめている消防防災年表によりますと、市町によって小型動力ポンプの保有状況に差があります。県内市町で1台も消防団での保有がない市町もあり、それなのに消防操法大会に参加している不思議な現実もあります。  先般、栃木県足利市で大きな山火事が起こりました。小型動力ポンプが重要な役割を果たしていると考えています。小型動力ポンプは機能的であり、有効な消防機具と考えるところでありますが、小型動力ポンプの保有台数が少ない市町において、充実させていく必要があると考えます。  消防団での権限は市町におけるものだと認識はしておりますが、県内には山間部を多く抱える市町も多いことから、消防組織強化調整費を活用して各市町における小型動力ポンプの整備を図る必要があると考えますが、知事公室長にお考えをお聞きいたします。 ◎水上 知事公室長  答弁を防災危機管理監に委任いたします。 ◎嶋寺 防災危機管理監  昨年度消防庁において実施されました消防施設整備計画実態調査の結果によりますと、平成31年4月時点における県内消防団の管理している小型動力ポンプの整備数は481台で、消防庁が示している消防力の整備指針に基づく整備目標数509台に対しまして、整備率は94.5%となっております。  また、この調査には加味されておりませんが、それとは別に自治会や自主防災組織なども小型動力ポンプを保有しておりまして、市町に調査いたしましたところ、消防団管理を上回る保有台数があり、約1,000台でございますが、整備目標数は十分に確保されている状況でございました。  今後、これらのポンプの更新も控えていますことから、計画的に各地域における消防力の充実強化が図れますよう、5年間延長されました緊急防災・減災事業債やコミュニティ助成事業の活用などを、引き続き市町に対しまして情報提供や助言を行ってまいりたいと考えております。 ◆柴田清行 委員  この小型動力ポンプなんですが、市町の整備がないということ。これは市町によって市債を上げることによって国からの補助が受けられるということになっておりますので、自治会での管理となると、各自治会が本当に苦労してお金を捻出して100万円、200万円というような小型動力ポンプを用意しなければいけないというような現実があるので、やっぱり最低限市町での整備、配備というのを進めていただきたいと思っております。  特に一台もないというのは、私がおります長浜市でございまして、野洲市が3台、栗東市が4台、ちょっと少ないですね。甲賀市は97台、米原市は92台と、こんだけ市町によって差があるわけです。しっかりと消防団で配備をしているところは市町が買って、国からもしっかりした補助をもらって市町が小型を用意してるということですんで、よろしくお願いをしたいと思います。  続いて、新型コロナウイルス感染症にかかる経済対策事業についてお尋ねをいたします。  中小企業への経済対策での周知についてお伺いをいたします。  昨年初めから予想不可能なコロナウイルス感染症の蔓延により、中小企業への影響はすさまじく、全国緊急事態宣言など休業要請では、なかなか小さな家内企業まで経済対策が届かなかったという現状があります。  来年度この予算では数々の補助事業を計上されていますが、滋賀県内の全ての企業や小さな商店までしっかりとしたこの政策が届けられるのか、そのような予算も計上されているのか、商工観光労働部長にお伺いをいたします。 ◎森中 商工観光労働部長  中小企業の皆様への支援情報等につきましては、県の広報誌やホームページはもとより、士業団体や金融機関を通じた周知や分かりやすい案内チラシを全戸配布したほか、昨年7月からはワンストップ相談窓口を設置、県のみならず国や市、町の各種支援情報も集約して一元的に情報提供しているところでございます。  また、中小企業のうち特に小規模事業者につきましては、情報を十分にお届けできていないと認識していることから、人と人とのつながりを通じた周知を重視し、今年度におきましては、商工会や商工会議所の体制を強化することにより、支援情報の周知に努めてきたところでございます。  来年度におきましても引き続き必要な予算を確保した上で、商工会等の人員を措置し、会員はもちろん非会員の事業者も含めて、事業者の皆様に迅速かつ確実に必要な支援情報をお届けできるよう、しっかりと周知に努めてまいりたいと存じます。 ◆柴田清行 委員  次に続きますので、2番目の質問に行きます。  商工会議所、商工会の組織力の強化について。今も部長から人と人のつながり、本当にそれがこの経済対策の周知、非常に有効になったと私も考えておりますので、今後は滋賀県内の中小企業振興補助事業が重要となってきます。商工会議所や商工会の組織強化をしていく必要があると考え、しっかりとした予算計上がなされているのか、商工観光労働部長にお伺いをいたします。 ◎森中 商工観光労働部長  答弁を笹井商工観光労働部次長に委任させていただきます。 ◎笹井 商工観光労働部次長  商工会、商工会議所の強みは、対面を基本とした経営指導員による事業者に寄り添った支援や会員間の結びつきが新たな事業の展開につながるところにあると認識しております。  コロナ禍におきまして、社会、経済が変容する中でこうした商工会、商工会議所の強みはさらに重要となっております。  令和3年度におきましては、国の臨時交付金を活用するなど、必要となる予算を確保した上で、緊急雇用によって周知のための人員を措置し、経営指導員がきめ細やかに事業者支援に集中できるよう環境を整えますとともに、青年部や女性部の方が行います各種イベントも支援するなど、組織としての一体感醸成にもつなげることで、地域経済の活性化を図ってまいりたいと考えております。 ◆柴田清行 委員  よろしくお願いしたいと思うんですが、令和元年度より商工会、商工会議所の収支改善計画によって1億5,000万円の削減がなされている。これはやっぱり人件費を削減されたこと。これは非常にこのコロナの対応についてはまるっきり正反対に進んだと思ってます。  特に商工会は合併をして、昔はやっぱり小さな市町に一つあった気軽に行けるというような場所でしたけども、大きな市で一つの商工会になってしまって、なかなかそのところまで行くだけでも1時間かかるということ。  また、広くなったことによって指導員さんの指導が行き届かなくなったという点があろうかと思ってます。今後もこの商工会、商工会議所の組織強化には、よろしくお願いをしたいと思います。  続きまして、基金運用について、3問目の質問をいたします。  基金運用を取り巻く状況についてお聞きをいたします。  来年度予算において、財産収入のうち基金利子が計上をされています。これは予算利息を基に各基金を所管する課が計上をされたものを合わせたものだと思っております。  日ごとに運用状況、社会状況の変化は激しいものと考えておりますが、令和3年度の基金運用を取り巻く状況はどのように捉えているのか、基金に関する現金の運用を行っている会計管理者にお伺いをいたします。 ◎浅見 会計管理者  答弁を寺田会計課長に委任いたします。 ◎寺田 会計課長  平成28年2月の日本銀行によるマイナス金利政策導入以降、低金利状況が継続しており、運用益の確保は大変困難な状況となっております。  加えまして、令和2年度当初に各金融機関の店頭預金金利の引下げが行われ、さらに厳しい状況となっているところでございます。  このような低金利状況は、令和3年度におきましても変わることがないと予想されますことから、基金運用を取り巻く環境は引き続き大変厳しい状況が続くものと考えております。 ◆柴田清行 委員  昨年度の状況も寺田課長のほうからお伝えをいただきました。私も知事に質問をさせていただいたときに、知事からはなかなか慎重なお言葉でございましたが、それから会計の方々、会計士の方々、皆さん協議をいただいた。  また、島根県までわざわざ勉強に行っていただきまして、債券の購入を進めていただいたというのを聞いておりまして、昨年度は16%まで債券購入を進めていただいて、約1,000万円の利益を上げていただいてるという話も聞いております。本当にありがたいことだと思います。これからもますますこの運用を頑張っていただきたいと思っております。  続いて、基金運用の取組方針についてお伺いをします。  そうした中、令和3年度において基金運用をどのように取り組もうとされているのか、会計管理者にお伺いをいたします。 ◎浅見 会計管理者  基金の運用に当たりましては、滋賀県資金運用方針において安全、確実を最優先するとしているところでございます。  その上で、令和2年度は大変厳しい金利状況となったことから、先ほど御紹介をいただきましたが、運用益の確保に向けて検討を行い、債券運用の割合をこれまでより高めるなどしてきたところでございます。  令和3年度におきましても引き続き大変厳しい金利状況が見込まれますことから、債券運用の割合をさらに高めるなど、基金全体の運用利回りの向上に取り組みたいと考えております。  なお、債券運用に当たりましては、年限が10年までの債券では十分な利回りが得られない状況にありますことから、20年債などの超長期債につきましても基金の取崩しや将来的な金利上昇への備えなども考慮しながら検討していく必要があると考えております。
     今後とも基金残高の状況や金利情勢を注視の上、安全、確実を基本に運用益の確保にも配慮しながら基金運用に努めてまいりたいと考えております。 ◆柴田清行 委員  今、注目的な発言をいただきました。超長期債まで購入を進めていきたいというような、1年前の答弁と比べると100%何か転換されてるような答弁であり、大変ありがたい話だと思ってますが、しかしながら、デメリットもあるのは前回も私もお話をさせていただきました。そのためにはやっぱりこの不動額を的確に出していかなければならないというのがあろうかと思ってます。現在は、県債管理基金のみ債券運用をされておりますが、一般基金においての債券運用をどのように考えておられるのか、再問いたします。 ◎浅見 会計管理者  基金につきましては、その残高の状況や金利情勢を注視の上、安全、確実を基本に運用益の確保にも配慮しながら運用することとしているところは先ほど答弁申し上げたとおりでございます。  どのような方法で運用するのか、どのように工夫をしていくのかということにつきましては、今後も状況に応じてその都度、慎重に判断してまいりたいと考えております。 ◆柴田清行 委員  ちょっと今の、僕が質問したのは一般基金のほうの債券運用を図らないのかということなんで、もう一度お聞きしたいと思います。 ◎浅見 会計管理者  失礼いたしました。答弁申し上げます。  現時点では、減債の基金を運用しているところでございますけれども、それ以外の基金の運用につきましては、どういったことができるか、そういったことも含めまして検討してまいりたいと考えております。 ◆柴田清行 委員  超長期債券などを運用していこうと思うと、やっぱり県債管理基金やと思ってます。一般債券を利用するときには、一般基金というものをしっかりと的確に不動額を出していけば十分できるというのは他県でもやられていることですので、しっかりともう一度考えていただきますように、よろしくお願いをしたいと思いますが。  このように一般基金という部分を含めて債券運用を現在は19%まで広げていただいてるということなんですが、先ほども会計管理者も言われているようにデメリットもあります。難しい部分もあるということは、やっぱりこれ、専門的な知識、専門職という部分では、大変難しい仕事柄になろうと思ってるんですが、しっかりとした職員の育成、また、この基金を管理していただいてるのは各課であります。財政調整基金は総務部であります。これ、ほんまは総務部長にも聞きたかったんですが、出してませんので、こういう部分での一括的な管理体制、そしてそのための職員の育成が必要だと思いますが、再問させていただきます。 ◎浅見 会計管理者  基金の運用を適切に行うためには、まずは担当職員の専門的知識の向上が大変重要と考えております。  そこで、金融機関等が主催する研修への参加や日々の業務を通じた経験豊富な職員からのノウハウの継承など、担当職員の専門的知識の向上を図る取組を進めているところでございます。  また、委員からただいま専門職員の育成ですとか、あと、基金管理と運用の統一化などの御提案もいただきましたけれども、基金運用の体制の強化を図るため、御提案いただいた内容や担当職員の育成も含め、どのような方策があるのか他自治体の状況を参考にしながら研究してまいりたいと考えております。 ◆柴田清行 委員  今日まで本当に会計課としてできる限りの情報も集めていただいて運用益、先ほども言いましたように、1,000万円以上の運用益を上げていただいてることに、本当に敬意を表したいと思ってますが、それに加えてやっぱり相対預金を減らしていただいてます。1銀行のみの決定という低い低い金利のやつを減らして引き合い預金のほうの比率が高くなってきている。これも評価をする部分でもありますし、今後ますますこの基金運用については、やればやるほどやっぱり利益も上がる、勉強をすれば勉強をするほどという部分にもなろうかと思います。  現在は、債券の運用によって利益が上がってます。これはやっぱり株価が上がってる。アメリカの低金利政策のほうで皆さんそっちのほうに移行されてるから、債券を皆さん買わなくなってるから債券の価格が上がってきているというのが事実だと思ってますし、それが次は下がってくる場合もあるかと思います。専門職をしっかりと育てていただきまして、これからの基金運用、頑張っていただきたいと思います。  寺田課長、ありがとうございました。  終わります。 ○川島隆二 委員長  以上で、柴田清行委員の質疑を終了いたします。  しばらくそのままでお待ちください。  次に、海東英和委員、待機席へお願いいたします。  それでは、海東英和委員の発言を許します。 ◆海東英和 委員  それでは、県庁CO2ネットゼロ推進事業について、まず御質問いたします。  昨年正月、知事は2050年CO2ネットゼロ宣言をされました。そして本年度、日本政府として菅総理も、また、今年になってアメリカのバイデン大統領もCO2の削減に取り組むことを表明されました。  地球の未来のために目標が明確となり、懸命な努力が模索されることとなりました。意識の大転換が必要であります。環境先進県を自ら名のる滋賀県が、前向きに立ち向かうことは大いに肯定し、一緒に頑張りたいと思います。  令和2年度は、コロナの影響もあるかもしれませんでしたが、ネットゼロの政策は1年間満を持して、令和3年度にCO2ネットゼロ計画やエネルギービジョンを横串を刺して一つのシナリオを作成すると提案されています。  方向性は支持をいたしますが、知事のやる気、宣言に対するレスポンスが遅過ぎるように思えるのは私だけではないと思います。  それゆえ、焦っているのかCO2削減の率先的取組を展開すると、予算化する中に唐突に思える50%グリーン電力を購入する予算が計上され、実験的な取組と説明をされました。入札で幾らで買えるかの実験でしかないのではないかと思います。  我が会派でも、かつてのLED照明推進を大上段に掲げ、スタンドなども大量購入しながらどうなっているのか。とことん削減努力をした後の2分の1であるべきで、電力の削減努力が進んでいないんではないかとか、あらゆる環境行動を尽くして、最後に取る政策ではないのかと問いかけがされましたが、いまだに説明が腑に落ちないままであります。  民間企業が自らの利益の中から購入されることはすばらしいことであると思いますが、貴重な税金、県予算を充てるには、県民の皆さんが納得でき、県庁のCO2削減努力が県民のお手本となるほど県庁はそこまでやっているのかと、県民の方に支援をいただけるようになるまではこのことは丁寧に考えなければならない。優先順位の整理が必要という観点で質問に立つことにしました。  県庁のCO2削減計画は、「環境にやさしい県庁率先行動計画(グリーン・オフィス滋賀)」に基づくと知事は説明されましたが、滋賀県庁の率先行動計画を拝読しました。県庁自身の熱の問題や様々な問題についての考え方と取組が十分に示されているとは言えないと思います。  一般家庭で省エネと言えば、真っ先に考えるのが無駄な熱放出を防ぐことです。国も住宅の断熱性能の基準を示し、県も高気密高断熱の環境性能の高い住宅が増えるように助成金も出しています。  ヒートショック予防の観点から、一般質問でも問いかけたことがありますが、資源エネルギー庁の省エネポータルサイトでも冬の暖房時の熱は窓などの開口部から流出する割合を58%、夏の冷房時に窓など開口部から熱が入る割合を73%と例示し、エネルギーロスを抑えることが優先度の高い取組であるというふうにしています。  グリーン・オフィス推進事務局や庁舎管理部局は、このことについて十分に考えておられますか。信長は安土城、光秀は坂本城、井伊家は彦根城、三日月知事は滋賀県庁、本丸の外壁や窓のエネルギーロスを掌握せずにCO2削減の議論などはできません。  答弁の便宜を図るため、今日は窓に限ってまず問います。  県庁に窓は何枚あり、どれだけの熱を失っているか。エネルギーロスの量を試算して答えてください。  また、県庁の全館LED化の…… ○川島隆二 委員長  海東委員に申し上げます。一問一答ですので、今のところでお切りいただきます。 ◆海東英和 委員  はい、そしたら今のところでお願いします。 ◎三日月 知事  御質問を伺って県庁舎の窓の枚数が何枚かということを担当に問いますと、窓の枚数は把握していないということでございますが、県庁舎清掃業務委託で算出しております全ての窓の面積、全窓面積は約3,800平方メートルでございまして、1枚当たり2.5平方メートルで計算いたしますと、約1,520枚あることになるとのことでございます。  次に、その県庁舎において冷暖房運転はガスを使用させていただいており、経済産業省資源エネルギー庁のエネルギー使用量原油換算方法によりますると、令和元年度の年間発熱量は約8,500ギガジュールということでございます。  空調運転期間などを考慮いたしまして、一定の条件の下、民間機関の計算ツールで試算いたしますと、複層ガラスに変更した場合、約44%の削減が見込まれ、年間発熱量はおおよそ4,700ギガジュールとなり、約3,800ギガジュールを削減できる。  もって複層ガラスとの考慮で、このものがエネルギーロスとの近似として表現できるのではないかという説明を受けております。 ◆海東英和 委員  大変結果的に分かりにくい答弁になりましたので、この3,800ギガジュールというのは電力換算なりガス代換算で幾らになるかっていうことについて、再度御答弁をお願いします。 ◎三日月 知事  答弁を総務部長に委任いたします。 ◎江島 総務部長  どれだけ削減できるかということですけれども、使用料金約900万円削減できるということになります。 ◆海東英和 委員  窓から失われている熱を一定の対策をしたら1年で900万円削減できる。このことは多いと思いますか、少ないと思いますか、どう思われますか、知事の御所見をお伺いしたいと思います。 ◎三日月 知事  この計算で言うと多いと思います。 ◆海東英和 委員  なぜこういうことについて県庁は取り組んでこなかったんでしょうか。前から続いている県庁のいろいろな計画に基づいて運営はされているのですが、知事はそのことについてどう思われますか。 ◎三日月 知事  全く取り組んでこなかったわけではないんでしょうけども、まだまだ取り組む余地があるんだろうなということを感じております。  ただ、お客様の出入りもございますし、いろいろな執務の環境のこともありますので、このエネルギーロスのことだけを考えて何か閉じたり、また、窓を変えたりということだけではないのかもしれませんが、照明にしろ窓にしろ、まだまだこの省エネを追求するという意味においては、可能性のある取り組む余地のあるそういうテーマだと考えております。 ◆海東英和 委員  お客様の出入りは窓からされませんので、窓でもペアガラスをはめる、内窓をはめる、県内の木製のサッシを内窓として使う。それから、防熱フィルム、遮熱フィルムを貼るとかいろいろな方法があって、極めて具体的に削減ができます。  こういうことを率先行動計画とか作っている割にちゃんと織り込まれていないということを今日はまず御指摘をし、次の質問に行きます。  県庁の全館LED化の先輩方からの宿題についてもはっきり説明責任を果たしていただきたいというふうにまずお願いをいたします。LEDライトが時々あるんですけれど、どこまで計画を立てて、どこまで進んだかというのはいつも中途半端になりますので、今日の私はそこは聞きませんが、この予算の執行に関して一度きちんと説明をしてください。  2番目です。水がめの水漏れを塞がずに水を入れるような予算執行はやっぱり考えなければなりません。関ケ原で全体作戦なしに部分的に突撃するようなグリーン電力の購入予算は、環境行動に熱心で税を負担する滋賀県民の同意を得にくいと考えます。削減努力の後の総量を掌握せずに50%グリーン電力を入札するというのは無謀です。  また、国が進めるJクレジットという民間の力、社会の課題を経済で解決していく政策が動いている中で、びわ湖カーボン・クレジット政策のありようも突然出てきて、将来ストーリーも説明されない中で、もっと説明をすべきで、これも率先行動計画には未記載です。  滋賀県は、関西広域連合の広域環境局も担っており、環境先進県を自ら名のっているのですから、せめて県庁の率先行動計画を県庁一丸で上書き修正し、優先順位の整理をして県民や議会に納得のいく説明をする必要があります。  さらには、県産木材を活用した木製窓枠ペアガラス建具とか、森林政策ではどうしても普及拡大をしたいと苦心しておられ300万円の予算化もされておられますので、琵琶湖森林環境税などの後押しも可能と考えます。県庁自身がディスプレーの場となり、ペアガラス化とか、県内の木製内窓とか、断熱遮蔽フィルムの採用とか、比較実験の場として見える形で展開することは県民も賛同されると思います。同じ予算でも知事の発令によって有機的に政策が展開できると期待します。  総大将の滋賀県知事のもくろみというものを、2050ネットゼロに向けてのもくろみをまずお尋ねします。 ◎三日月 知事  県庁舎におきましては、太陽光発電設備の設置でありますとか、一部建物、これは北新館ということでございますが、複層ガラスへの取り替えを実施しておりますが、委員御指摘のとおり県庁舎全体でのエネルギー消費量の削減、また、ロスの削減というものは、まだまだ十分至っていない可能性があると認識しているところでございます。  県庁のネットゼロに向けましては、エネルギー消費量の低減等に取り組むことが重要であると認識しており、例えば職員による省エネ行動の徹底、施設整備における省エネ性能の向上、省エネ診断を活用した施設の運用面の改善など、庁内関係課が連携いたしまして長期的な視点を踏まえて、その仕組み作りを進めてまいりたいと存じます。  一方で、CO2ネットゼロを目指すためには、温室効果ガスを排出しない地球環境に優しいエネルギー源である再生可能エネルギーの導入が最重要項目の一つと認識しているところでございまして、RE100に県が率先して取り組むとともに広く発信し、県民や事業者等への普及を目指してまいりたいと考えているところです。  現在、今後のCO2ネットゼロ社会づくりに向けまして、低炭素社会づくり推進条例、推進計画等の見直しを行っているところでございまして、エネルギー政策と温暖化対策を一体的に取り込み、今話題を頂きました県庁の率先行動計画も含めて、対策を講じ施策を推進してまいりたいと存じます。 ◆海東英和 委員  いろいろよそが示しているエネルギーの削減計画には、賃貸オフィスを使うことが前提になってるようで、この滋賀県庁のように文化財のようなこれから何十年も使う私たちの庁舎を、きちんと改修してエネルギー効率よく運営していくという方針がないんです。だから滋賀県の率先行動計画にもそういう文章がないんです。だからこれをよく考えてしっかりと自分たちの頭で考えて、この滋賀県庁がお手本になるように進めていただきたいということをまず要請し、先ほどの予算執行についても十分説明を求めます。  続いて、琵琶湖流域下水道事業会計についてを申し上げます。  令和3年度予算において現場では様々なコスト削減の努力が重ねられ編成されたことに敬意を表します。しかし、下水道処理負担金格差の単価が倍以上の格差があることについて、公平性の観点からも課題だと思うのですが、この現状についての知事の考えを問いたいと思います。  受益者負担ということをおっしゃり、県内を四つの事業体に分けて積算していますが、国民健康保険税も困難を乗り越え歩み寄って滋賀県一本化になりました。受益者負担を掘り下げると地方自治法の第224条で「特に利益を受ける者から、その受益の限度において、分担金を徴収することができる。」とあります。生活者としては、受益の内容は県下のどの下水道事業で受けても同じで、生活上の利益も琵琶湖への貢献も同じであろうと思います。受益の限度においてという地方自治法の解釈によることと、さらに誰一人取り残さないという価値観において、いろいろ考えることができると思います。  三日月知事の前回の選挙活動中、高島市新旭町深溝の日吉二宮神社前で約30人の県民を前に下水道の料金の格差是正に取り組みますと、街宣車のマイクで声高らかにおっしゃってくださいました。その日吉二宮神社前の約束はどうなったでしょうか、お伺いします。 ◎三日月 知事  申し訳ございません。選挙期間中の私の演説、一言一句全て覚えてるわけではございませんが、維持管理負担金単価の格差につきましては、平成28年3月の予算特別委員会で議員から御質問をいただいており、また、平成30年度の予算編成の過程におきましても議論があったところでございますので、その問題を強く認識しており、そういった趣旨で発言をしたのだと思います。  維持管理負担金単価は四つの処理区ごとに定めておりますが、一般排水単価で申し上げますと湖南中部処理区の単価改定の議決をいただければ、今議会でいただければ改定後の単価は47.2円になり、一方、高島処理区は100.9円という状況にございます。このため、維持管理負担金の単価の格差が約2.1倍となります。高島処理区の経営を持続可能なものとすべく経営改善をより強力に推進していく必要があると考えております。  具体的には、高島処理区では農業集落排水処理施設の公共下水道への統合加速化でありますとか、浄化槽の汚泥等を受け入れるMICS、これはMinistry Intelligence Comprehensive Systemという事業の継続、汚泥処理手法にコンポスト化の導入などの取組を進めているところでございます。  こうした取組で少しでも高島処理区の負担金を軽減できるように現在努力をしているところです。  処理区の規模ですとか、供用開始時期、流入水量等の要因によりまして、結果として現時点で負担金単価が異なり、格差があることを強く認識しておりますので、今後とも流域下水道事業の経営の在り方について検討していきたいと考えております。 ◆海東英和 委員  ちなみに県下一本料金なら単価は幾らと試算できるか、お伺いします。 ◎三日月 知事  四つの処理区それぞれで5年間の経営計画を策定して維持管理負担金単価を設定しております。この四つの経営計画は、策定時期や各処理区の供用開始からの経過年数も異なりますことから、正確な県下一本料金をお示しすることは困難でございます。  ただ、御下問でありますので、あくまで試算として全体の必要な経費を全体水量で割り戻しますと、一般排水単価は仮の試算結果として約56円となるということでございます。
    ◆海東英和 委員  ざっくりと試算すると県下一本にしたら56円になると。湖西や東北部の料金も併せて確認したいので、4処理区の料金をもう一度教えてください。 ◎三日月 知事  令和2年現在で、今年度現在で湖南中部は47.3円、そして湖西が67.4円、そして東北が61.6円、高島処理区が100.9円となってございます。 ○川島隆二 委員長  海東委員、挙手の上、お願いいたします。 ◆海東英和 委員  ざっくり計算ですけど、県下一本料金にすると三つの処理区が値下げになるということは私もびっくりしました。  さて、そもそも公共下水道というのは、琵琶湖の水質を守ることが大きな目的でスタートしています。これは各種資料にもそう書いています。  そして、受益者負担という方法は、都市計画法第75条に依拠しておりまして、地域の価値が上がることの土地所有者に大いなる利益がもたらされると、その分に負担を求めるということがいわゆる考え方の根本にあります。  つまり、かかった経費を分担して求めるということではなくて、増加した利益、つまり受益の限度内で負担を求めるという地方自治法の考え方は、いわゆるよくそこで地域の価値が上がったところの増加分について価値を認め、そこにも負担をお願いするというようなことがありますので、今後、地方自治法224条の受益の限度においてということを滋賀県なりにどう解釈するのか、そして、必需的で受益性の高い電気、ガス、水道と並ぶこういう不可欠なサービスがこんなに格差があっていいのか。琵琶湖を守るためにみんなが協力できないかということも含めて、県に今後検討をお願いしたいというふうに思うんですが、知事いかがでしょうか。 ◎三日月 知事  今もるる御説明、御紹介いただきましたように、この琵琶湖流域下水道の四つの処理区、これはそれぞれ整備した時期が異なります。また、処理区ごとに受益者負担を原則とする独立採算制を取っており、それぞれに策定する経営計画により単価を定めております。  したがって、処理区の規模でありますとか、供用開始時期、流入水量等の要因によりまして、結果として現時点、負担金単価が異なり、格差があることを認識しておりまして、例えば高い地域は何で高いんやと、安い地域との差をどう考えるんだという、こういう御心情はよく理解できるものでございます。  ただ、先ほど四つ処理区の単価をお示しし、ざくっとした計算で一本化した場合の金額を申し上げましたけれども、その処理区ごとの人口は大きく異なりますので、そういったところの合意形成など、まだまだ大きなハードルはあるのだと思いますが、市町とよく連携を図りながら、今やっている事業を計画的かつ効率的に推進すると同時に、持続可能な下水道運営の観点からどういうこの負担金の在り方がいいのかということについては、今後とも研究また検討をしてまいりたいと考えております。 ◆海東英和 委員  滋賀県は下水道公社によって一つ一つやっていったので四つの処理区が計画段階からありましたが、2013年4月から知事の下に一つになっています。だから事業者も請求者も知事なんですね。そのことはやっぱりよく考えなければならないと思いますし、下水道法や滋賀県の条例も独立採算制で決算をしなければならないとどこにも書いてないですね。だから大きな法の趣旨は、この下水道ができて地域の値打ちが上がって、地価が上がって発展をして、その発展をしたもうけからみんなで払っていくということが法の趣旨であります。  ですから、だんだん人口が減って、そして分母が小さくなって、どんどん料金が上がっていくようなところに無理やり負担を押しつけるという今の方法は、いずれ破綻します。だから賢明な方法を模索するために、ぜひ改めて県の立場においても誰一人取り残さないということもキャッチフレーズにございますので、検討を深くしていただきますように重ねてお願いをいたしますが、知事いかがでしょうか。 ◎三日月 知事  先ほど答弁したとおりでございますが、重ねてお尋ねいただきましたのでお答えいたしますと、その下水道法で定める下水道の目的、もって受益というものをどう考えるのかということがまず一つの観点だと思いますし、この間、四つの処理区ごとに事業を行ってきたそこにお住まいの方、法律上の受益を受けてらっしゃると定められている方々の負担により経営を行ってきた、この経営の在り方をどう考えるのかということ。しかし県として、県民としてそれぞれの処理区ごとにこういった単価の差があることをどのように受忍できるのか、受忍できないのか。また、調整可能性としてどのような方策があるのかということもございますし、さらにはこういったことごとに要する時間なり経費というものをどう考えるのかといったこともございますので、先ほど答弁したように総合的な観点から研究を行っていきたい、検討をしていきたいと考えております。 ◆海東英和 委員  終わります。 ○川島隆二 委員長  以上で、海東英和委員の質疑を終了いたします。  しばらくそのままでお待ちください。  次に、中村才次郎委員、待機席へお願いいたします。  それでは、中村才次郎委員の発言を許します。 ◆中村才次郎 委員  それでは、2項目質疑をさせていただきます。よろしくお願いをいたします。  まず、部局別予算の概要文化スポーツ部の43ページにあります文化企画振興事業費のうち、未来へつなぐしが文化活動応援事業と文化芸術公演支援事業について質問させていただきます。  新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い、文化芸術の分野においては公演等の中止、また観客の制限を余儀なくされてしまいました。そういった団体などに対して国は文化芸術の灯を絶やさないように文化芸術活動の継続支援事業を実施しました。  滋賀県としても大変ありがたいことに、独自の支援策未来へつなぐしが文化活動応援事業の募集を行いました。これは文化活動経費と感染症防止対策経費に分かれておりまして、それぞれ限度額が10万円で合計20万円が上限とされる補助金でした。感染症防止対策や練習会場を借りるために必要な経費に使えたものです。  これとは別にびわ湖ホールや県立文化産業交流会館、ピアザ淡海の県民交流センターの県立施設3か所を初め、市町立の施設の40か所、民間の施設2か所の計45か所の会場で公演などを行った場合、使用料の2分の1を支援する文化芸術公演支援事業の募集も行っていただいたところでございます。  まず、最初に今年度行われている未来へつなぐしが文化活動応援事業の実績について、文化スポーツ部長に伺います。 ◎中嶋 文化スポーツ部長  未来へつなぐしが文化活動応援事業は、令和2年7月17日から令和3年2月28日までの間に実施する事業を対象として募集を行いました。  音楽を初め美術、舞踊、伝統芸能など多岐にわたる分野で補助金申請がありまして、交付申請件数は235件、交付申請額は3,877万3,000円となっております。事業が完成したものにつきましては、動画や事業報告書などの成果物を県ホームページに掲載しているところでございます。 ◆中村才次郎 委員  それでは、続いて文化芸術公演支援事業の現時点での実績について、文化スポーツ部長に伺います。 ◎中嶋 文化スポーツ部長  文化芸術公演支援事業は、令和2年10月10日から令和3年3月28日までの間で実施する公演を対象として募集を行いました。  ピアノやバレエの発表会、吹奏楽等の公演で施設の利用がありまして、3月4日現在交付申請件数は120件、交付申請額は765万2,000円となっております。 ◆中村才次郎 委員  この来年度予算案にも同じ事業名なんですけれども未来へつなぐしが文化活動応援事業費7,763万9,000円が計上されておりますが、この内容、どのようにされるか、文化スポーツ部長にお伺いします。 ◎中嶋 文化スポーツ部長  文化芸術を振興するに当たりましては、県民の皆さんの文化活動が活発に実施されることが肝要と考えております。  当事業は、コロナ禍の中、来年度に事業を再開したいという多くのお声がありまして、今年度と同様に公演等の活動の機会を失った文化活動関係者の活動継続を支援するため、感染拡大防止対策を実施しながら再開する文化活動に対し、最大20万円を支援するものでございます。  なお、今年度支援を実施する中で、申請者からは「自分たちの活動が支援対象になるのかどうか分からない」、「募集案内や申請書類が分かりにくい」といったお声を頂いております。  事業実施に当たりましては、来年度も補助金説明会を開催し、制度について御説明する機会を設けますとともに、募集案内等について分かりやすく記入しやすいよう改めるなど、申請が円滑に進むよう改善してまいりたいと考えております。 ◆中村才次郎 委員  そうなんです。本当に使っていただいた方には喜んでいただいてるんですけれども、その申請の方法が分かりにくいとか、また、知らなかったとかそういう方、たくさんおられますので、せっかくよいメニューを考えていただいておりますので、どうか分かりやすいように説明をしていただいて、今年度も説明会をしていただきましたけれども、より分かりやすくお願いしたいというふうに思います。  それでは、同じく文化芸術公演支援事業費9,193万円の内容について、文化スポーツ部長に伺います。 ◎中嶋 文化スポーツ部長  当事業は、公演開催に当たって施設の収容率等が制限される中においても文化芸術公演ができるだけ開催されるよう、今年度と同様に感染症対策を実施し、県内文化施設で文化芸術公演を行う利用者に対しまして施設使用料の2分の1を支援するものでございます。 ◆中村才次郎 委員  こちらの事業のほうは、大変使われた方に使いやすいと、また、大変助かっているという現場の声もお聞きさせていただきました。ぜひ、本当ならもっと率は上げていただきたいところですけれども、半額の2分の1のこの援助をしていただけるということでありがたいなというふうに思います。  吹奏楽団に関わる方からもお話を伺うと、3月から5月にかけてコンサートを計画をしており、特に文化芸術公演支援事業、つまり会場費の補助をしていただく2分の1の事業でございますけれども、これは大変ありがたいと言っておられました。  最後に、両事業とも対象期間はいつからになるのかっていうことを、文化スポーツ部長に伺います。 ◎中嶋 文化スポーツ部長  未来へつなぐしが文化活動応援事業、文化芸術公演支援事業の両事業ともに、本年4月1日以降実施する事業を対象としたいと考えております。  また、未来へつなぐしが文化活動応援事業につきましては、会場費等前払い等もございますので、4月1日前の準備行為について補助対象にできないかどうかということを検討しております。 ◆中村才次郎 委員  助成金というのはそういうものかも分からないんですけれども、先ほどお伺いしたときにも言っていただきましたけれども、この未来へつなぐしが文化活動応援事業は2月28日までということになっておりますし、また、文化芸術公演支援事業のほうは、これは本当に微妙なんですけどね、3月28日なんですね。3月ってあと3日やないですか、29、30、31となんですけれども、これが対象に入ってない。けれどもこの年度末でそういうコンサートを行われるっていうのは結構いらっしゃるんですね。それが対象に入らない、これ、公的な支援事業ですのでしょうがないかも分かりませんけれども、何とかならないかもう一度、お伺いしたいというふうに思います。 ◎中嶋 文化スポーツ部長  この両事業、地方創生臨時交付金を活用しておりまして、3月中にこれは補助金を支払ってしまうという必要がございます。そこで未来へつなぐしが文化活動応援事業につきましては様々な確認が必要でございますので、2月28日とさせていただいておりまして、片や公演を支援する事業につきましては、これはもうぎりぎりのところが3月28日ということで設定をさせていただいております。 ◆中村才次郎 委員  これがこの一般の人間には分かりにくいところですね。本当に国のシステムというか公的なシステムの問題だというふうに思います。本当にそのはざまのところを国全体で変わっていくような世の中になっていかなくてはいけないのではないかなと、文化スポーツ部長を責めてるわけではございませんので、これから変わっていかなくてはいけない部分ではないかなというふうに思います。  ただ、お願いですけれども使いやすさ、また、こういう事業をやってるという周知の徹底、どうかよろしくお願いしたいというふうに思いまして、次の質問に移らせていただきます。  予算に関する説明書166ページにございます用地等取得事務費319万9,000円に含まれております、分かりにくいんですけれども過年度未登記用地解消事務事業費274万5,000円について質問をさせていただきます。  県下の道路や河川等の区域の中に県が財産管理しているにもかかわらず個人等の名義になっている土地が存在します。このように本来、県や国の所有として登記されるべき土地が、所有権移転登記が未了で個人等の名義のまま残っているものを解消するためにつけられたこの予算でございます。  この問題については、主に昭和40年代に全国的に表面化いたしました。昭和52年度、随分前の話ですけれども、滋賀県土木部用地事務取扱要領が改正されまして、登記を確実に処理する施策がなされたため、これ以降についてはそういう問題は発生しないと聞いております。  本県においては、それ以前に起きてたこういった問題につきまして3度の5か年計画を立てて取り組んでいただきまして御苦労いただいた結果、昭和61年度末に3,927筆あった過年度未登記用地が、令和元年度末には1,982筆と約2分の1にまで減っております。  この解消には、未登記用地の権利者をはじめ関係する方々への説明、また、協力依頼から始まり、土地の測量図の作成、分筆登記、抵当権等の権利設定がなされている場合は権利抹消の協力依頼、手続等々非常に大変な作業を伴う事業です。  残っているこの1,982筆は、その中でも解決が困難なものが多いと推測されますけれども、この時間がたてばたつほど相続問題なども絡み、さらに複雑になっていくと思います。  このような状況は、県の財産管理の点から、また、公簿上の名義人となっている地権者との権利関係の明確化の点からも、できる限り早期に解消すべきであるというふうに思います。  一つ目の質問でございますけれども、そこで過年度未登記用地はなぜ発生したのか、土木交通部長に伺います。 ◎吉田 土木交通部長  委員御質問の過年度未登記用地につきましては、本県においては昭和20年代から40年代に多く発生したものと承知しております。  その原因としましては、当時は土地の売買契約の成立をもって用地代金の支払いが可能であったこと、高度経済成長期で事業量が多く、その進捗が優先され登記に対する意識が希薄であったことなどがあったものと考えてございます。 ◆中村才次郎 委員  実際にしっかりと代金を払って買ってるにもかかわらず登記がなされてなかったということで、こういった問題がそのままになってたという土地が残ってるという、こういうことだというふうに思うんですけれども、このような未登記用地を抱えることによって、県の道路、また河川等の改良、改修などへの支障やその他問題の有無について、土木交通部長に伺います。 ◎吉田 土木交通部長  法定公共物である道路や河川の敷地は、道路法、河川法により私権の行使が制限され、公的な利用が守られているところであり、道路や河川等の改良、改修についても支障なく行えるものと考えております。  ただし、財産管理上の問題としまして未登記用地については、所有権をめぐる紛争が生じるおそれも否定できないと考えております。 ◆中村才次郎 委員  過年度未登記用地の解消に向け、近年においては具体的にどのように取り組んでおられるのか、土木交通部長に伺います。 ◎吉田 土木交通部長  これまで県では処理要領を定め、一筆ごとに登記を行う上での課題や必要書類等を調査整理し、3回の5か年計画により難易度の低いものから優先的に集中的な取組を行い、一定の成果を上げてきたところです。  現在では、登記名義人や相続関係人が多数存在したり、対象地が公図混乱地に存在しているなど、容易に解決できない案件が残っているところでございます。  こうしたことから、各案件が抱える課題を踏まえ、市町の地籍調査の機会も捉えるなどし、登記名義人等の御理解を得ながら、一つずつ地道に解決を図ることとしてございます。 ◆中村才次郎 委員  この解決に向けては、もちろん県の本庁の方もそうですけれども、各土木事務所の方が一生懸命解決に向かって当たっていただいているというふうに伺っております。本当に大変なことが残っている。ですけれども、地道に進めていっていただいているものだというふうに思います。  この複雑な案件に対して、やっぱり最終的には専門の知識を有しておられる例えば土地家屋調査士などに委託するという手段も取られているというふうに思いますけれども、現状を土木交通部長に伺います。 ◎吉田 土木交通部長  先ほど申しましたように、容易に解決できない要因として相続関係人が多数いたり、公図混乱地に所在していることなどが挙げられます。  このような場合には、県職員が相続関係を調査するなど、複雑な権利関係の整理を行い、登記名義人等の御理解を得た上で、現地において土地の境界や隣接関係の確認、地権者間の調整などを行ってございまして、その結果、地図の訂正や測量図の作成、分筆の登記などが必要な場合に、その専門家である土地家屋調査士に業務を委託してるところでございます。 ◆中村才次郎 委員  最終的には、やっぱり専門家の方の力も借りて進めていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  今年度もこの274万5,000円の予算が計上されておりますけれども、残っている未解決の土地の解決の見込みなどをどのように立てておられるのか、土木交通部長に伺います。 ◎吉田 土木交通部長  毎年度解決の可能性について検討した上で、土地家屋調査士などへの委託に必要となる予算を見積もっており、来年度におきましては20件程度の解決を目指し、そのうち委託が必要な案件は5件程度と見込んでおります。
     未解決な土地は容易に解決できない案件ではございますが、県において一つずつ登記名義人等に丁寧に説明し、御理解を得ながら地道に解決を図ることで過年度未登記用地の解消に努めてまいりたいと考えております。 ◆中村才次郎 委員  これを本当にこの残っている未登記用地を全てなくすと、ゼロにするというためには、来年度20件を目指してるというふうにおっしゃいましたけれども、まだまだ時間がかかっていくわけですけれども、しっかりと進めていただきたいと、このように思います。  また、未来へそういった問題が少しでも残らないように解決に向けて努力をしていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。ありがとうございます。 ○川島隆二 委員長  以上で、中村才次郎委員の質疑を終了いたします。  しばらくそのままでお待ちください。  最後に、黄野瀬明子委員、待機席へお願いいたします。  それでは、黄野瀬明子委員の発言を許します。 ◆黄野瀬明子 委員  部局別予算の概要116ページにあります児童健全育成事業費の放課後児童クラブ実態調査事業について、全て健康医療福祉部長にお聞きいたします。  9月定例会議一般質問で、放課後児童クラブの大規模化や狭隘化、指導員の処遇などの課題について現場の声を基に議論させていただきました。  今回、提案されている来年度予算案に児童クラブ実態調査事業が上げられました。毎年県知事に宛てて要望活動をされてこられました学童保育関係者の皆さんからは、十数年来の要望が一部実ろうとしている、県の実態調査が課題解消のために市町に働きかけることも見据えた調査になるよう求めていきたい、このような声が寄せられております。  このような声に応えた事業になることを求めて伺ってまいります。  まず、この実態調査事業の目的とその調査をどのように生かそうとするのか、部長に伺います。 ◎川崎 健康医療福祉部長  放課後児童クラブ実態調査は、県内の全ての放課後児童クラブ約400施設と、そこに勤務する放課後児童支援員等の職員約3,200人を対象に実施するものでありまして、施設に対する調査では、専用区画面積や登録児童数とその利用状況などを、支援員等に対する調査では、休暇などの労働環境や給与、今後望むことなどをお聞きし、その実態を把握することを目的といたしております。  この調査結果を踏まえまして、今後児童クラブの質の向上に向けまして県として取り組むべき施策を検討いたしますとともに、市町とも調査結果を共有して市町の取組にも生かしていただければというふうに考えております。 ◆黄野瀬明子 委員  それでは、まず今おっしゃっていただきました子供の人数の把握調査ということについて伺っていきます。  近年様々な家庭を支える児童クラブの役割は大きく、入所児童数は年々増えております。子供の集団が大きくなる大規模化は深刻な課題です。大規模化した学童保育では、子供たちが騒々しく落ち着けない、ささいなことでけんかになる、気の合う数人の子供たちだけで過ごす、このようなことが起こります。指導員の目が届かず、子供の声に耳を傾けられず、親切、丁寧に子供に関わることができません。事故を起こさないことだけが重視をされて、遊びや活動を制限する運営になりかねません。  厚生労働省令の基準――以下、省令基準と申します――は、学童保育の基礎的な単位である支援の単位は、おおむね40人以下の児童数と定められております。これに対して9月定例会議の答弁では、県内353クラブ、480支援単位の3分の1に当たる160支援単位が41人以上の利用定員であると示されました。多くの施設で大規模化による困難が生じているのではないでしょうか。省令基準を超過していないかどうか、支援単位の人数の実態把握を、とりわけ登録人数での把握が必要ではないか、伺います。 ◎川崎 健康医療福祉部長  調査の詳細についてはこれから検討してまいりますが、現在のところこの調査で支援の単位ごとの人数につきまして、その登録児童数のほか一日当たりの平均利用者数や、最も多かった日の利用者数などの実態についても調査をできればというふうに考えております。 ◆黄野瀬明子 委員  次に、その調査の結果、基準を超過した支援単位の人数への対応を伺います。  省令基準で子供の集団規模がおおむね40人以下とされた意味は、児童クラブ運営指針にあるように、子供が相互に関係性を構築をしたり、一つの集団としてまとまりを持って共に生活をしたり、放課後児童支援員などが個々の子供と信頼関係を築いたりできる規模ということでこの実現を目指すものです。  それを保障するためには、基準を超過した集団を40人以下の支援単位ごとに分割を進めて、施設内で複数の支援単位にして、活動計画上も、そして実際にも、そして物理的にもきちんと分けるということか、あるいは、学童保育の新設が必要となってまいります。どのように対応されるのか、お聞きをいたします。 ◎川崎 健康医療福祉部長  この実態調査の結果、国が定める方法で算定いたしました児童の数が支援単位の基準である40人を超えるようなケースなどがございましたら、まずは該当する市町へ現状をお伝えしてまいりたいと思っております。 ◆黄野瀬明子 委員  再問をいたします。  今、国の定める基準単位での超過というふうに申されました。国はこの子供の数の算定について、先ほど部長が言われましたようないわゆる登録児童数という概念ではなくて、先ほど申されましたけれども、利用平均日数ということで計算をされております。  私は、そういう算定方式ですと子供さんが最大限利用されたときに基準を、今言われておりますおおむねですけれども40人以上という基準を超えてしまうと、そういう算定方式だというふうに思っております。  ですので、私はこのおおむね40人ということなんですけれども、やはり40人を超えない規模ということに大変注目をしてまして、そこを超えないようにやはり最大限子供さんが利用されたときにどういう規模になるのかということについて調査を行い、また、その是正について市町に照会をし、援助をするということが必要ではないかというふうに思います。部長の見解を伺います。 ◎川崎 健康医療福祉部長  調査では先ほど申し上げましたとおり一日で最大利用のあった日、人数というのも調べるつもりではおりますが、この支援単位の人数の数え方については、委員からも御紹介がありましたとおり国のほうから通知が出ておりまして、登録している者のうち毎日利用する者はその数、例えば隔日とか、数日おきに使う人については、その日数に応じて人数をカウントするということでありまして、それはそれで合理性があると考えておりますので、基本的にはその方針で調査はしたいと思っております。 ◆黄野瀬明子 委員  最大限子供さんが利用された場合に、どのような支援単位の規模になるかっていうことも同時に分かる調査だというふうに認識をいたしました。  であるならば、そのことも同時に市町に情報提供としてされるのかどうか、再問をいたします。 ◎川崎 健康医療福祉部長  その項目に限らず、この調査結果については市町の担当者と共有していきたいというふうに思っております。 ◆黄野瀬明子 委員  次に、子供の生活する部屋の広さの調査について伺います。  学童保育は、おやつを食べたり、本を読み、工作をし、時には横になってのんびりと過ごすなど、子供にとって毎日の生活の場です。そのためにも安全、衛生が確保され、食事や休養などの基本的な生活を保障できる機能を満たす専用の空間が必要です。  しかし、省令基準が示す専用区画は、子供一人につきおおむね1.65平米以上という大変狭い基準になっています。少なくともこの狭い基準を下回っていないのか調査が必要だと思います。その際、国が専用区画面積を算出するときに使っている利用児童数ではなく、最大利用数、入所定員数などでの調査を求めます。  さらに、運営主体によっては遊びや生活の場として使うスペースとは言えないロッカーやトイレや階段の踊り場なども含めた施設の面積を子供の人数で割って算出していることもあると聞いております。これでは実際の子供の生活の場は1.65平米を下回ってしまいます。子供の生活する部屋の広さは、実質的に使える面積を調査するよう求めますが、どのようにされるか伺います。 ◎川崎 健康医療福祉部長  本調査では、改めまして国の専用区画の考え方、例えば遊びおよび生活の場として機能する静養するための機能を備えた区画、そういう区画であるということを具体的にお示ししまして、例えば事務室であるとか、トイレなどは対象とせずに、子供が実質的に使用する遊びや生活の場の面積をお聞きしていきたいと思ってます。 ◆黄野瀬明子 委員  9月定例会議で、私は今の国の専用区画面積1.65平米は狭過ぎるというふうに思うが県の認識はどうかと伺いました。部長は、県内全ての市町で省令と同じ一人当たり1.65平米以上と条例を定めていること、そして、あくまで最低限満たすべき基準であり、実際のクラブの運営ではこれを上回る運営となることが望ましいと答弁をされました。  コロナ禍を経て現在の面積基準を満たしていても感染症対策としては難しいことが実体験されました。  改めて伺いますが、実態調査を踏まえて一人当たり1.65平米の基準を引き上げる検討を求めますが、どのようにお考えでしょうか。 ◎川崎 健康医療福祉部長  専用区画面積につきましては、各市町が厚生労働省令の基準を参酌といたしまして、地域の実情に応じて条例で定めておられます。  基準の引上げについては、市町で判断いただくことだと思っております。 ◆黄野瀬明子 委員  市町の判断を尊重ということですけれども、県としてもぜひ子供の保育の環境を県としてもよくしていこうという立場から、市町へのこうしたアンケートの結果の報告などを通じて、やはりより引き上げていってほしいという働きかけをぜひしていただけたらというふうに思っております。  県のほうでさらに1.65平米を上回るそういう環境を作っていくというところに援助をしていったりですとか、あるいは例えば補助を創設するですとか、様々誘導策は設けることができるというふうに思います。市町の判断を尊重しながら、県としてもよりよい環境にしていくっていうことでのさらなる取組を検討いただきたいというふうに思いますが、再度伺います。 ◎川崎 健康医療福祉部長  先ほど答弁いたしましたとおり、この調査結果については市町と共有していろいろ対応を考えていきたいと思っておりますが、基準につきましては、基本的にこの放課後児童クラブの質の向上というものは目指していきたいと思いますが、どのような対応をしていくのかは、また市町と一緒に考えていきたいと思っております。 ◆黄野瀬明子 委員  夏休み入所を実施をしておられる事業所では、一時的に入所定員オーバーや一人当たりの面積基準を下回っていることもあるのではないでしょうか。  夏休み入所を実施している事業者では、その時期だけ平時とは別に一つの支援単位の人数と一人当たりの面積を調査することが必要ではないでしょうか、部長に伺います。 ◎川崎 健康医療福祉部長  夏休みだけの入所でありましても市町が定められた条例の基準は満たされるべきものだと考えております。  この調査の項目として、今御指摘のあったような項目は考えていきたいと思っております。 ◆黄野瀬明子 委員  次に、指導員の体制の調査について伺います。  学童保育では、年齢や発達の異なる子供一人一人と、子供全体に関わることを同時に並行して行う必要があります。  また、安全を守る場面や、けがやいさかいなどの場面では、個々の子供への対応と子供全体への対応を同時に行う必要があります。  そして、個別に特別な援助が必要な場合があること、そして、小学校1年生から6年生まで継続的に把握した関わりが求められます。  そのため、専門的な技能と知識を持った指導員がほかの仕事を兼務せず、専任として一つの支援単位に対し、2人以上で指導することが必要とされております。  現状、専任配置ではなく、三、四時間の勤務の職員がローテーション勤務としているところもあります。子供たちの安全・安心な生活を保障するために一つの支援単位に関わる二人の専任職員は常勤か、それ以外なのかを把握することが必要ではないでしょうか、部長に伺います。 ◎川崎 健康医療福祉部長  支援員等の職員の勤務形態、体制につきましては、労働環境の一つの項目として調査することを検討してまいりたいと思っております。 ◆黄野瀬明子 委員  再問をします。  特に一つの支援単位に関わる職員ということで、2人の専任職員が必要というふうに省令でなっているんですけれども、その支援単位に関わる職員がどうなのかっていうことが分かるような調査なのか、伺います。 ◎川崎 健康医療福祉部長  詳細についてはこれから検討してまいりますので、今御質問のあった事項をどう取り扱うかはこれから検討させていただきます。 ◆黄野瀬明子 委員  よろしくお願いします。  次に、指導員の処遇の調査について伺います。  処遇改善には地域格差があり、賃金や社会保障などの待遇が不十分な現状もあって、専門的な知識と技能を持った指導員が働き続けることができず、子供に安定した生活を保障することを困難にしています。  運営主体によって給与体系はばらばらで、基本給だけでも格差があります。処遇の把握は、基本給だけの調査ではなく、年収ベースの把握、昇給する仕組みや退職金制度があるのか、また、各処遇改善事業補助制度の活用の有無について把握が必要ではないでしょうか、部長に伺います。 ◎川崎 健康医療福祉部長  処遇の把握につきましては、施設に対する調査の中で、初任者の給与、職員の平均給与などのほか、処遇改善事業の活用の有無、あるいは活用していない場合の理由なども調査項目として検討はいたしております。  また、支援員等に対する調査の中では、年収ベースで例えば100万円から150万円未満など、段階を区切ってその実態を把握することは検討はいたしております。 ◆黄野瀬明子 委員  処遇改善補助制度の活用の有無についても、それが活用されない理由が分かるような調査だというふうにおっしゃっていただきました。  この点を9月定例会議でも議論をさせていただきまして、処遇改善事業の補助を受ける条件があるのに受けられておられない、そういう事業者さんがたくさんいらっしゃることが分かりました。  ぜひともこの点の改善を強く求めたいというふうに思います。  次の質問に移りますけれども、9月定例会議の議論で部長は放課後児童支援員等処遇改善事業や、キャリアアップ処遇改善事業の補助は、活用していただくことが望ましいと答弁されました。  この実態調査を行ってどのように処遇改善に生かしていかれるのか、伺います。 ◎川崎 健康医療福祉部長  処遇改善事業の活用につきましては、先ほど答弁いたしましたとおり、活用の有無のみならず活用していない場合の理由についても調査はする予定をいたしております。  その結果を踏まえまして、どこに課題があるのか、どうすれば改善できるのかなど、市町とともに考えてまいりたいと思っております。
    ◆黄野瀬明子 委員  最後に、放課後児童クラブ巡回支援事業について伺います。  予算案には新規事業として巡回支援事業も計上されております。この事業の目的とその事業がもたらす効果をどのように見込むのか、伺います。 ◎川崎 健康医療福祉部長  放課後児童クラブ巡回支援事業では、支援員としての知識、経験が豊富な職員を2名配置いたしまして、県内全ての施設を3年間で巡回し、障害のあるなどによりまして配慮を必要とする子供への支援、事故防止などの安全管理体制などについて、助言や支援を行うことで児童クラブの質の向上につなげられればと思っております。 ◆黄野瀬明子 委員  大変重要な事業だというふうに思います。そういった中身ですと、大変、現場の職員さんや学童保育関連の皆さんが歓迎されるというふうに思います。  次の質問に移ります。  放課後児童クラブ運営指針に基づいてこの巡回支援事業が実施されることをさらに求めます。県内の施設は、運営主体や設立の経過も様々です。運営指針に基づいた保育活動となっていない現状もお聞きをいたしているところです。  例えば指導員は子供や保護者に直接関わるほかに、保育の打合せや、また、情報共有の保育会議、事例検討、こういった会議などに出席をして毎日連携、協力しながら取り組む必要があります。しかし、保育会議の実施が週1回、また月1回などと少ないところや、午後からの勤務の指導員は参加が保障されていないところもあります。  また、保育内容の記録などをつける時間が子供と関わる時間と別に保障されていないところもあると聞いております。改善のための支援が必要です。  こういった内容は、運営指針に丁寧に記載されております。運営指針は運営実態の多様性を踏まえ全国的な標準仕様を明確化しています。子供の最善の利益を保障すること、子供の発達過程や家庭環境なども考慮して異なる専門性を有して従事している放課後児童支援員などが、子供とどのような視点で関わることが求められているか、このようなことが定められています。  放課後児童クラブ巡回支援事業は、児童クラブ運営指針に基づいた保育実践が行われているかを指導、支援することが重要だと思いますが、いかがなさるんでしょうか、伺います。 ◎川崎 健康医療福祉部長  巡回支援に当たりましては、運営指針の順守状況を確認するという視点ではなく、子供の健全育成を図るためにはどのような工夫をすればよいかなど、児童クラブの質の向上を図ることを目指し、必要な助言が行えればと思っております。 ◆黄野瀬明子 委員  ぜひ、部長、今言っていただいたその子供の健全育成の視点、大変ベースで大事なところだと思います。  その上に、やはり運営指針というものも重視をして、ぜひ支援をしていっていただきたいなというふうに思います。  再問です。  巡回支援事業で支援が必要だと思われる施設がありましたら、一回きりではない巡回支援の継続を求めますが、いかがでしょうか。 ◎川崎 健康医療福祉部長  巡回支援で課題等がございました場合は、市町と共にその都度、その都度必要な対応を継続して考えていきたいと思います。 ◆黄野瀬明子 委員  終わります。 ○川島隆二 委員長  以上で、黄野瀬明子委員の質疑を終了いたします。  これで、本日の日程は終了いたしました。  来る8日は、午前10時から委員会を開会し、全体質疑を行います。  以上をもちまして、本日の予算特別委員会を閉会いたします。 閉会宣告  14時40分...